第22回【イノベーションが富を生む】イノベーション大賞を選出しよう

イノベーションを生み出そう!
もんとり
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「既知のものを完璧に磨き上げても富は生まれず、 未知のものを不完全に把握したときに富は生まれる」『WIRED』創刊編集長のケヴィン・ケリー氏はこのように言っています。どんな時代であってもイノベーションが求められ続けているのです。

こんな人に読んでほしい

・新しい取り組みを社員に考えてほしい経営者
・自発的な社員を創りたい社員教育担当者
・社員の評価指標を考える人事責任者

やってみよう!

(推奨人数:組織全員)

①今年の社内イノベーション大賞にノミネートしたい人を投票する。
(どんな小さなことでもいいので、今年社内で何か新しいことをはじめた人)
②全員投票し終わったら発表する。
③イノベーション大賞を選出する。

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1.ポイント:まずは組織に心理的安全性を

まず初めに、組織の中にイノベーションを生み出そうとする時、その組織が失敗を許さないような環境ではイノベーションなど生まれるはずもありません。ちょっとしたことでもいいから、何か新しいことをやってみよう!という制度や評価軸、経営陣の発言などで社員に「新しいことやってもいいんだ」という安心を与える必要があります。

心理的安全性(psychological safety)という言葉があります。組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことで「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義されています。イノベーションを生み出すために、組織内の心理的安全性の土台があるか確かめてみましょう。

もし心理的安全性が確保できていない状態であれば、下記のことをまずやってみることをお勧めします。

(1)安心して雑談や対話が生まれる機会を作ること
(2)会議などで特定の人に偏らず発言できるようにすること
(3)共通した価値観を持つこと
(4)相手を尊重しながら対等に自分の要望や感情を伝えること(アサーティブ・コミュニケーション)
(5)職場以外の場所で交流する機会を作ること

2.必要な準備

事前準備

年度始めにイノベーション大賞の主旨を説明しておくこと。

用意するもの

・投票用紙
・投票箱
・ペン
・賞品

3.参考例:小さなことから始めよう

歳を重ねたり、役職についたりしていくと、とても大きなことをしなくてはいけないと思いがちですが、そんなことはありません。基本的に人は変化を嫌うものです。小さなことでもちょっと新しいやり方でやってみよう!と第一歩を踏み出すことからイノベーションは起こります。

例えばこういうことだってOKです。

・手書きの社内資料をデータ化して運用し始めた
・社内美化のため、チームで清掃の時間を作った
・誰よりも大きな声で挨拶をし始めた
・就業時間外に自発的な勉強会を立ち上げた
・新しい営業手法を取り入れた
・過去のデータを収集して分析につなげた
・業界の関連ニュースを朝礼で共有し始めた
・自己研鑽の一環で仕事に関連する資格を取得した

4.まとめ

今回参考文献の著者トム・ピーターズは「失敗とは、大目に見るべきものじゃない。奨励すべきものなのだ」「成功したいなら、失敗するしかない。大成功したいなら大失敗するしかない。どんどん転べ。ころんだら起き上がれ。起き上ったら、もう一度やってみろ。起き上ったら、すぐにだ!」と言ってます。また、「初めてそれをやった人の名前は覚えられるが、それを完璧にした人の名前は誰にも記憶されることはない」という人もいます。

とにかく、失敗を恐れないこと。会社としても新しいことができる環境作りからバックアップをすることで、徐々に小さな変化が起こり、大きなイノベーションにつながることは間違いないでしょう。私たちは常に「これは不完全ながらも、本来こうあるべきではないか」と最初に世に問い続けることが必要なのです。

参考文献

トム・ピーターズ『トム・ピーターズの起死回生』阪急コミュニケーションズ、1998年

コトバのチカラ

天才たる第一の刻印とは、完璧さにでなく、フロンティアを開拓する独創性にある。
アーサー・ケストラー(ユダヤ人ジャーナリスト、1905-1983)

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