
「『動物』で2つ」——スパイマスターがそう言うと、味方チームは一斉に25枚のカードを見つめます。「動物っていえば……『クマ』と『ネコ』かな?」「いや、待って。『マウス』もあるよ」。たった一言のヒントから、仲間の思考を必死に読み合う。当たれば歓声、外れれば天を仰ぐ。これがコードネームの熱狂です。
コードネームは、2チームに分かれて競う言葉の連想ゲームです。各チームのリーダー(スパイマスター)は、「1つの単語」と「数字」だけをヒントに、味方に自分たちのカードを当てさせます。うまくつなげる一言を選べば一度に複数のカードを当てられますが、選び方を誤れば相手チームや、最悪の場合「暗殺者」のカードを引いて即敗北。シンプルなのに奥が深い、世界中で愛される傑作パーティーゲームです。
・大人数でも盛り上がれて、頭も使えるゲームを探している人
・言葉のセンスや連想力を、遊びながら鍛えてみたい人
・チームで協力して楽しめるコミュニケーションゲームが好きな人
① コードネームを購入する(4人以上集まれば今日から遊べます)
② ルールを確認する(このページで全てわかりますので、ぜひ参考にしてください)
③ ゲームを始める(スパイマスターになったら「一言で何個当てさせられるか」を意識するだけで、白熱度が一気に上がります)
1.ポイント:一言に知恵を込める——コードネームが教えてくれること
このゲームで身に付く力
コードネームを繰り返し遊ぶことで、自然と鍛えられる力があります。
ゲーム概要
コードネームは2015年にチェコのウラジミール・フバラが考案し、発売されたパーティーゲームです。「Codenames」とはスパイの暗号名を意味し、プレイヤーはスパイ組織のエージェントに扮します。発売年にドイツ年間ゲーム大賞(シュピール・デス・ヤーレス)を受賞し、一躍世界的な大ヒット作となりました。
テーブルには25枚の単語カードが5×5に並びます。この中に、自分のチームのエージェント・相手チームのエージェント・無関係な一般人・そして触れたら即ゲームオーバーの「暗殺者」が隠れています。どれが味方かを知っているのは、各チームのスパイマスターだけ。この「知っている人」と「当てる人」の情報の非対称性が、ゲームの面白さを生み出します。

ゲームのルールとポイント
ルール①:2チームに分かれ、各チームのスパイマスターを決める
プレイヤーを赤・青の2チームに分けます。各チームから1人「スパイマスター」を選出し、残りのメンバーは「捜査官(推理する側)」になります。スパイマスターだけが、25枚のうちどれが自分のチームのカードかを示す「正解表」を見ることができます。
ルール②:スパイマスターは「1単語+数字」だけのヒントを出す
スパイマスターは、味方のカードを当てさせるために「ひとつの単語」と「数字」を口頭で伝えます。たとえば「果物、3」なら、「果物から連想できる自分たちのカードが3枚ある」という意味です。ヒントに使えるのは1単語のみで、盤面にある単語そのものや、身振り手振りでのヒントは禁止です。
ルール③:捜査官はヒントをもとにカードを選ぶ
捜査官は相談しながら、ヒントに合うと思うカードに触れます。自分のチームのカードなら成功で、続けて次のカードを選べます(ヒントの数字+1回まで)。相手チームのカードや一般人に触れるとそこでターン終了。そして「暗殺者」のカードに触れてしまうと、その瞬間に負けが確定します。
得点の数え方
コードネームには細かい点数計算はありません。勝敗はシンプルです。
自分のチームのエージェント(カード)を先に全て当てたチームが勝利(赤は9枚、青は8枚など、先攻・後攻で枚数が異なります)。
暗殺者のカードに触れてしまったチームは、その時点で即敗北。
一度に複数当てられる「うまいヒント」を出せるかどうかが勝負の分かれ目です。「果物で3枚」を一発で通せたときの爽快感は格別です。
2.必要な準備
カードを並べてチームを分ければ、すぐに始められます。
・コードネーム本体(4〜8人以上で遊べます。2チームに分かれるため、最低でも4人推奨)
・プレイヤー4人以上(大人数ほど相談が盛り上がります。1チーム3〜4人ずつが特におすすめ)
・テーブルと椅子(25枚のカードを5×5に並べるため、ある程度の広さがあると快適です)

3.参考例:初心者が知っておきたい3つのコツ
(1)スパイマスターは「欲張りすぎない」
一度にたくさん当てさせようとして「5」などの大きな数字を出したくなりますが、初心者のうちは危険です。無理に多くの単語を1つのヒントでつなごうとすると、連想が弱くなり、味方が別のカード——最悪の場合、暗殺者——を選んでしまうことがあります。最初は「1」や「2」など確実なヒントから始めるのが安全です。堅実に積み重ねるほうが、結果的に勝ちに近づきます。
(2)捜査官は「リーダーの気持ち」を想像する
カード単体を見るのではなく、「スパイマスターはなぜこの単語を選んだのか」を考えることが大切です。同じ「果物」というヒントでも、盤面に並ぶ他の単語との関係から、リーダーがどのカードを指しているかが見えてきます。「自分ならどう連想するか」ではなく「あの人ならどう考えるか」に視点を移すのが、当てるコツです。
(3)自信がないときは「無理に選びきらない」
ヒントの数字ぶんだけ当てる義務はありません。「3」と言われても、確信が持てるのが2枚なら、2枚で止めてターンを終えるのも立派な戦略です。1枚の欲張りで暗殺者を引けば一巻の終わり。「わからないときは止まる」という判断ができるチームは強いです。迷ったら安全策を——これは実生活の意思決定にも通じる教訓かもしれません。
4.まとめ:たった一言に、どれだけの知恵を込められるか
コードネームの魅力は、「一言で伝える」という制約の中に、無限の工夫の余地があることです。スパイマスターは、盤面を見渡し、味方の顔ぶれを思い浮かべ、「この人たちなら、この一言でここまで伝わるはず」と知恵を絞ります。それは、相手のことを深く想像する行為そのものです。
そして当てる側も、たった一言のヒントから相手の思考を読み解こうと必死になります。「なんでその単語を選んだの!」「そっちかー!」——正解しても外しても、その後には必ず笑いと会話が生まれます。勝ち負け以上に、この「言葉を通じて分かり合おうとする時間」こそが、コードネームがくれる豊かさです。
ルールはシンプルで、覚えるのに5分もかかりません。それでいて、プレイするたびに新しい発見がある。家族の団らんにも、友人同士の集まりにも、職場のチームビルディングにも。一度テーブルに並べれば、その場の全員が夢中になる——コードネームは、そんな傑作ゲームです。ぜひ一度、「たった一言の奥深さ」を体験してみてください。

関連おすすめボードゲーム3選
ディクシット
幻想的なイラストカードを使い、「ちょうどよく伝わる」ヒントを目指すコミュニケーションゲームです。コードネームが「言葉で連想させる」なら、ディクシットは「イラストを言葉で表現する」ゲーム。全員に伝わっても失点というユニークなルールで、言葉のさじ加減が問われます。連想と表現の楽しさが好きな方にぴったりです。
ito(イト)
手元の数字(1〜100)を言葉だけで表現し、全員が低い順に並ぶよう協力する全員協力型ゲームです。「この数字を◯◯に例えると……」という言語化が核心で、コードネームと同じく「感覚を言葉にする力」が試されます。対戦ではなく協力プレイなので、勝ち負けよりワイワイ楽しみたいときにおすすめです。
はぁって言うゲーム
「はぁ」「なるほど」などの一言を、指定された感情で演じて当て合うゲームです。コードネームが言葉の「意味」で勝負するなら、こちらは声と表情の「表現」で勝負します。どちらも大人数で盛り上がるパーティーゲームの定番。コミュニケーション系ゲームをまとめて揃えたい方は、セットで遊ぶと会の幅が広がります。
この学びを探求できるおすすめ書籍3選
『伝え方が9割』佐々木圭一
「伝わる言葉」と「伝わらない言葉」の違いはどこにあるのか——コピーライターの佐々木圭一が、日常のコミュニケーションを変える技術を紹介した100万部超のベストセラーです。コードネームで「一言で複数の仲間に伝える」難しさを味わった後に読むと、「なぜあのヒントは伝わったのか」が言語化されて腑に落ちます。ゲームで感じた手応えを、実生活の伝え方に応用したい方におすすめです。
『言語化の魔力』樺沢紫苑
「なんとなく感じること」を言葉にする力の大切さを、精神科医・樺沢紫苑が解説した一冊です。コードネームのスパイマスターは、頭の中の漠然としたつながりを「たった一言」に凝縮する作業を繰り返します。まさに言語化のトレーニングそのものです。本書を読むことで、その「言葉にする力」を日常でも意識的に鍛えられるようになります。
『具体と抽象』細谷功
目の前の個別の言葉(具体)から、それらをまとめる共通のテーマ(抽象)を見つけ出す——コードネームのヒント出しは、この「抽象化」の作業そのものです。バラバラの単語を「果物」「乗り物」といった一段上の概念でくくる思考は、本書が説く知性の核心と一致します。ゲームで自然にやっている思考を、本書で言語化して理解すると、連想力にさらに磨きがかかります。
基本情報
正式名称:Codenames(コードネーム)
発売年:2015年(日本語版:アークライト)
デザイナー:ウラジミール・フバラ(Vlaada Chvátil)
販売元:アークライト(日本語版)
プレイ人数:2〜8人以上(4人以上推奨)
プレイ時間:約15分
対象年齢:14歳以上
受賞歴:ドイツ年間ゲーム大賞(シュピール・デス・ヤーレス)2016年受賞
簡潔さは、英知の神髄である。
ウィリアム・シェイクスピア








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