
面接で「あなたは職場に求めるものがありますか?」という質問をします。ある人は分からないことを気軽に聞けるコミュニケーションが良好な環境といい、ある人はボトムアップでやりたいことが通りやすい環境といいます。物理的にトイレが綺麗とか、パソコンは最新のものがほしいという人もいるでしょう。人によって職場に求めることは違いますが、誰しも理想の職場のイメージは持っているものです。どうしたら少しでも理想に近い職場環境が作れるか話し合ってみましょう!
・職場をより良くしたい人
・社員の声を聞きたい経営者の人
・いつも職場の不平不満を言っている人
(推奨人数:5人以上)
①指定時間内にそれぞれが思う「理想の職場環境」について絵を描く
②終わったあとに効果が高そうなものに投票する。
③その投票結果を踏まえて、理想の職場環境を作るためのアクションプランを策定する。
1.ポイント:能力を発揮できる環境作り
能力を発揮するというのは能力が発揮できる環境に身をおく、ということです。それだけ環境は能力に影響を与えます。学問やスポーツも同様で、常にテストで上位に入れる学校に通うよりも、周りとしのぎを削り切磋琢磨できるレベルの高い学校に通う方が能力は高くなるでしょう。日本を飛び出て外国で学ぶというのもよくある話です。
2.必要な準備
それぞれが置かれている職場環境の変えたいポイントをいくつか考えてきてもらう。
・理想の職場環境を描ける紙
・投票用紙
・ペン
・アクションプランをまとめる用紙
3.参考例:職場での改善内容
職場における改善内容は、以下のようなポイントが挙げられます。
・人間関係に関するもの
・職場の制度に関するもの
・日常の業務内容(質・量)に関するもの
・職場で使用する物品などに関するもの
・自己成長やキャリアアップに関するもの
集まるメンバーによっては、影響を及ぼすことができない領域もあると思いますので、上記のような改善ポイントに絞って「やってみよう!」をしてみるとよいでしょう。
4.まとめ
理想の職場を追求するなら、転職が一番と思う人もいるでしょう。たしかに今の職場を変えるよりも新しい職場を探す方がよっぽど簡単ということもあり得ます。今の所属する組織がどんなに頑張っても変わらないと思っているのであれば、とっとと転職するに越したことはありません。でも、今の職場をより良くしたい、今一緒に働いている仲間と一緒に喜びを増やしたいと思えるのであれば、アクションプランまで考えてみましょう!
組織なので何かを変えようと思えば、お金の問題も出てきますし、上司や決裁者とのやりとりが必ず発生します。一人ではなかなか行動できないことも、仲間と一緒に立てたプランであれば大きな岩も動かせるかもしれません。仮にそのプランが実現しなかったとしても、そのあなたの行動が将来の自信につながることは間違いありません。
この記事を探求できるおすすめ書籍5選
『いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方』中村和彦 監修
どんどん人が辞めていく、社員にモチベーションがないなどの職場のモヤモヤを、対話のチカラで解消していく組織開発の入門書です。この記事では「どうしたら少しでも理想に近い職場環境が作れるか話し合ってみましょう」というワークショップを紹介していますが、この本では7つの成功事例とともに、知識ゼロからでも実践できる組織開発のはじめ方が解説されています。特に「モチベーションの低い職場を変えた新米社長の職場改革」や「どんどん人が辞めていくと向き合った経営者」といった具体的なケーススタディが豊富で、この記事で取り上げている「人間関係」「職場の制度」「業務内容」「物品」「自己成長」といった改善ポイントを実際にどう解決していくかのヒントが満載です。『図解 組織開発入門』坪谷邦生
IT企業のエンジニアから人事部門へ異動し、疲弊していた現場の状況を改善したいという想いから20年以上人事に携わってきた著者による実践的な一冊です。この記事では「能力を発揮するというのは能力が発揮できる環境に身をおく、ということです。それだけ環境は能力に影響を与えます」という洞察をしていますが、この本では組織に「血」を通わせるための理論と実践が100のツボで体系的に解説されています。学習する組織、ティール組織、ビジョナリーカンパニーから心理学的経営まで、現代的な組織モデルを幅広くカバーしており、この記事で引用している為末大の「場を選べ、人は場に染まる」という言葉の科学的な裏付けも理解できます。Q&Aと図解で構成されているため、つまみ食いしながら気になる部分から読み進められる実用的な内容です。『あなたのチームは、機能してますか?』パトリック・レンシオーニ
業績不振にあえぐベンチャー企業を新しく就任したCEOが活気あふれるチームへと変えていくストーリーから、チームビルディングのプロセスやノウハウを学べる小説形式のビジネス本です。この記事では「今の職場をより良くしたい、今一緒に働いている仲間と一緒に喜びを増やしたい」という想いを伝えていますが、この本では機能しているチームに必要な5つの要素(信頼、衝突、責任、説明責任、結果へのコミットメント)を物語を通じて学べます。登場人物に感情移入して読むことで、実際に似たような状況に陥ったときにどうすれば良いのかが理解しやすくなります。この記事で紹介している「理想の職場環境を描く」ワークショップの次のステップとして、チーム内の信頼関係を深める方法を具体的に学べる一冊です。『2人から100人でもできる!15分でチームワークを高めるゲーム39』ブライアン・コール・ミラー
この記事の参考文献として挙げている書籍そのものです!この本では、チームが始動するとき、メンバー間で互いをもっと知り合いたいとき、チームのクリエイティビティを高めたいときなど、様々なシーンで活用できる実践的なゲームが39個紹介されています。この記事で提案している「理想の職場環境について絵を描く」というワークショップと同様に、楽しみながらチームの結束力を高める方法が満載です。特に短時間で実施できるアクティビティが多く、日常的に職場改善の取り組みを継続させたい場合に非常に役立ちます。この記事で伝えている「一人ではなかなか行動できないことも、仲間と一緒に立てたプランであれば大きな岩も動かせる」という考え方を実践するための具体的なツールが手に入ります。『入門 組織開発』中村和彦
組織開発の第一人者による格好の入門書で、なぜ組織の人間的側面のマネジメントが重要な経営課題となるのかを、具体的な事例を交えて解説しています。この記事では「面接で『あなたは職場に求めるものがありますか?』という質問をします」というエピソードから始まり、人によって理想の職場のイメージは違うことを伝えていますが、この本では戦略や制度といった組織のハードな側面だけでなく、人や関係性といったソフトな側面に働きかける変革アプローチについて学べます。組織開発の考え方、価値観、歴史、具体的な手法まで網羅されており、この記事で紹介している「職場における改善内容」を体系的に理解し、実践に移すための理論的基盤を提供してくれます。特に「転職するのではなく今の職場を変えたい」という想いを持つ人にとって、実現可能な道筋を示してくれる一冊です。参考文献
ブライアン・コール・ミラー『15分でできるチーム・ビルディング・ゲーム』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2005年
場を選べ、人は場に染まる。
為末大

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