第24回【悩みの解消法】最悪の事態を想定しよう|カーネギーの魔術公式で不安を既知化し前向きな行動エネルギーに変える3ステップ

悩みの解消法
もんとり
もんとり

いつも小さなことで悩んでしまう。見えない未来に不安を感じて眠れない時がある。次の一歩が踏み出せない。そんな時はこういう考え方をしてみてはどうでしょうか?

こんな人に読んでほしい

・小さなことでくよくよしてしまう人
・過去の失敗を今も引きずっている人
・起こるかわからない未来に不安を感じている人

やってみよう!

(推奨人数:2人以上)

①「最悪の場合どうなる?」と書かれたカードを100枚作ってみる。
②悩みにとらわれたら、カードに「最悪の場合」を書いてみる。
③周りの友達や同僚にもカードをプレゼントしてみてもよい。
④数週間後にカードを使った感想を共有する。

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1.ポイント:魔術公式とは

『道は開ける』の著者デール・カーネギーは簡単に悩みを解決する方法を「魔術公式」と呼んでいます。魔術公式は下記の3ステップです。

・「起こりうる最悪の事態」とは何かを自問すること
・やむを得ない場合、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること
・落ち着いて、最悪状態を好転させるよう努力すること

つまり、「これって最悪の場合、どうなるんだっけ?」と自問すること。そうすると意外と最悪の場合でも大したことにはならないことに気が付きます。万が一、最悪の場合が起きたとしても、その最悪の事態を受け入れる覚悟ができていれば悩みは解消に向かいます。「未知の悩み」を「既知の悩み」に変えるだけでも、悩みに向き合う姿勢が変わりますし、最悪な事態が起こるまでに時間があることなら、好転させる努力も可能でしょう。

2.必要な準備

事前準備

特になし

用意するもの

・「最悪の場合どうなる?」カード
(カードを作らない場合は、ノートでもよい)
・ペン

3.参考例:最悪の事態を捉え覚悟する

何か悩みが出てきたときは、いつもこのように考える習慣を付けましょう。

3ー1.過去のこと

「何気ない一言で友達を傷つけてしまったかもしれない」
最悪はどんなことが起きるでしょうか?最悪の事態は「友達の縁を切られること」かもしれませんし「いじめを受けること」かもしれません。では、あなたの一言は果たしてそういう最悪の事態を生み出すほどのものだったのでしょうか?もしそうなのであれば、事態を好転させるためにできることを落ち着いて考えてみましょう。「電話やメールで謝ってみる」「次会った時に自分から話しかけてみる」など、最悪な状態にならない手は打てるはずです。

3ー2.未来のこと

「副業を始めたいけれど失敗するかもしれない」
最悪の事態は「全然儲からないからやめてしまい、時間やお金が無駄になること」かもしれません。しかし、人によって最悪の事態のレベルが違います。例えば、最悪の事態は「副業の始め方が分からないのでセミナーを受けてみたはいいものの、何年経っても儲からず巨額のセミナー費用(ぼったくり)の回収すらできない状態」と考える人もいるでしょう。

どんな悩みでも最悪の事態を捉えていさえすれば、それを受け入れる覚悟ができるか、最悪の事態を回避し好転させることができるかを考えることができます。それができれば次は「とにかくやってみよう!」と前向きな行動エネルギーに変えることができるはずです。

4.まとめ

PXGの創業者のボブ・パーソンズ(アメリカの起業家、億万長者、慈善家)は自身のサイトでこのようにも言っています。

With regard to whatever worries you, not only accept the worst thing that could happen, but make it a point to quantify what the worst thing could be.
あなたを悩ませるどんな悩みについても、起こりうる最悪なことを受け入れるだけでなく、その起こりうる最悪なことを決まって数値化しよう。

人は見えないものに怯えるものであり、悪いことを考え出すと負の連鎖が起こり抜け出せなくなります。だからこそ一番最悪な状態を考え、さらにその最悪なことってどれくらいの割合で起こりうるのか、過去の経験やデータから数値化し、自分の中で安心と納得に導きましょう。

著者門鳥(私)も昔は小さなことで不安になる性格でした。しかし、大学生時代にデール・カーネギー氏の『道は開ける』を読み、「そうか!不安や心配のほとんどは起こらないんだ!」と少しずつ自信を持ってポジティブに行動ができるようになりました。今は極端な話、「命を取られるわけじゃないんだから!」くらいに考えて、なんでもやってみようと思っています。

この記事を探求できるおすすめ書籍5選

『道は開ける 文庫版』デール・カーネギー

邦訳300万部突破の世界的ベストセラー。参考文献としてこの記事のベースとなった不朽の名著です。この記事で紹介している「魔術公式」の3ステップ(起こりうる最悪の事態を自問する、最悪の事態を受け入れる覚悟をする、最悪状態を好転させるよう努力する)が、本書のPART1「悩みに関する基本事項」の第2章で詳しく解説されています。この記事の「未知の悩みを既知の悩みに変える」というアプローチを、ウィルス・キャリア氏の事例をはじめ、豊富な実例とともに深く学べます。1944年の初版刊行以来、時代に合わなくなった部分を修正しながら折々に改訂が施されてきた現行の公式版。『人を動かす』と並ぶカーネギーの二大名著として、苦悩するすべての人を心の闇から救いだし、行動と自己変革への勇気を与える座右の書です。

『人を動かす 改訂文庫版』デール・カーネギー

邦訳500万部突破、『道は開ける』と並ぶカーネギーの二大名著。この記事で触れている「過去の失敗を今も引きずっている人」「起こるかわからない未来に不安を感じている人」に向けて、人間関係の悩みを根本から解決する原則を学べます。『道は開ける』が自分の内面の悩みに焦点を当てているのに対し、本書は他人との関係における悩みの解決法を提示。この記事の「命を取られるわけじゃないんだから!」というポジティブな姿勢を、人間関係の実践レベルで体得できます。この記事のワークである「最悪の場合どうなる?」カードを使って前向きになった後、実際に人と向き合う際の具体的な方法が満載。両書を合わせて読むことで、内面と外面の両方から悩みを克服できます。

『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』草薙龍瞬

15万部突破のベストセラー。この記事のテーマである「小さなことでくよくよしてしまう人」に向けて、ブッダの教えを現代的に解釈した悩み解消法を紹介します。この記事で触れている「人は見えないものに怯えるもの」「悪いことを考え出すと負の連鎖が起こる」というメカニズムを、「心の反応」という視点から理解できます。本書の核心である「反応しない」という考え方は、この記事の「最悪の事態を受け入れる覚悟」と深く通じるもの。仏教という視点から、この記事のカーネギーの魔術公式を補完する実践的なメソッドが学べます。「悩みは消せる」という著者のメッセージは、この記事の「命を取られるわけじゃない」という達観と一致します。

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎、古賀史健

累計300万部超の大ベストセラー。この記事のテーマである「過去の失敗を今も引きずっている人」「起こるかわからない未来に不安を感じている人」に向けて、アドラー心理学の視点から悩みの本質を解き明かします。本書の核心である「原因論ではなく目的論で考える」という教えは、この記事の「過去や未来を思い悩むな」というメッセージと一致。この記事で触れている「最悪の事態を受け入れる覚悟」を、「課題の分離」「承認欲求からの解放」という視点からさらに深められます。哲学者と青年の対話形式で、この記事の魔術公式をより根本的な人生哲学として理解できる名著です。

『神モチベーション 「やる気」しだいで人生は思い通り』星渉

『神メンタル』で大注目を集めた著者による、やる気を自在にコントロールする方法を解説したベストセラー。この記事のテーマである「悩みを前向きな行動エネルギーに変える」を、「ギャップモチベーション」という革新的な概念で実現します。この記事で触れている「最悪の事態を好転させるよう努力する」というステップを、脳科学・神経科学の視点から科学的に裏付け。「不安や悩みを行動エネルギーに変換する」というこの記事のゴールを、心理学的メカニズムから深く理解できます。この記事のカーネギーの魔術公式を、現代の脳科学で補完する実践的な一冊です。

参考文献

デール・カーネギー『道は開ける』創元社‎、1999年
Bob Parsons – 16 Rules

コトバのチカラ

幸福は、あなたが何を持っているのか、あなたが誰か、あなたがどこに何処にいるのか、あるいは、あなたが何をしているのかで決まるものではない。ただ、あなたが何を考えるかで決まるのだ。
デール・カーネギー


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