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第70回【やり抜く力GRIT】「才能より情熱と粘り強さが人を遠くへ連れていく」——才能神話を覆す「究極の能力」の正体|人生のあらゆる成功を決めるGRITの育て方

【やり抜く力GRIT】「才能より情熱と粘り強さが人を遠くへ連れていく」 自己分析・自己成長
もんとり
もんとり
「あの人はもともと才能があるから」「自分には向いていなかっただけだ」——うまくいかなかったとき、こう思って諦めた経験はありませんか。

仕事でなかなか成果が出ない。勉強が続かない。目標を立てても3日で止まる。そのたびに「自分には才能がないから」と結論づけて、次の挑戦への扉を少しずつ閉めていく。その積み重ねが、ある時点から「自分はどうせ何をやってもダメだ」という諦めに変わっていきます。

今回参考にする、アンジェラ・ダックワース著『やり抜く力 GRIT』は、その思い込みを根底から覆す一冊です。著者はペンシルベニア大学の心理学教授で、マッカーサー財団の「天才賞」受賞者。数千人のデータを分析した結果、長期的な成功を最も強く予測する要因は「才能」ではなく、「情熱(Passion)と粘り強さ(Perseverance)の組み合わせ」——つまりGRITだと結論づけます。世界累計100万部超のベストセラーが教える「才能よりも大切なもの」の正体を、今回は紐解いていきます。
こんな人に読んでほしい

・「自分には才能がない」と思って何かを諦めた経験がある人

・目標を立てても長続きしない、三日坊主が繰り返されていると感じている人

・成果が出るまで粘り続ける力を、意志の力に頼らずに身につけたい人

やってみよう!

①今、自分が取り組んでいること(仕事・勉強・趣味など)をひとつ書き出す。

 

②「なぜそれをやるのか?」と3回連続で問いかけ、答えを掘り下げる。(「なぜ英語を勉強するのか?」→「昇進のため」→「なぜ昇進したいのか?」→「自分のやりたい仕事をするため」→「なぜそのやりたい仕事がしたいのか?」)

 

③最後の答えが「自分のためだけ」か「誰かの役に立つため」かを確認する。本書によれば、「誰かへの貢献」が見えると、GRITは飛躍的に高まる。

 

④「10年後もこれを続けていたいか?」と自分に問いかける。YESなら情熱の源がある証拠。NOなら目的を見直すサインかもしれない。

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1.ポイント:才能より大切なものがある

(1)「あの人は才能があるから」という思い込みを疑う

「あの人はもともと頭がいいから」「才能が違う」「センスがある人は違う」——私たちは成功した人を見るとき、その結果を「生まれつきの資質」で説明しようとします。本書はこれを「才能神話」と呼び、最初にその解体から始めます。

著者のダックワースが注目したのは、アメリカ陸軍士官学校ウェストポイントの「ビースト(新兵訓練)」です。毎年数千人の優秀な候補生が入学しながら、5人に1人が最初の夏の訓練中に脱落します。脱落するのは成績が悪い人ではありません。体力がない人でも、テストの点数が低い人でもない。ダックワースはここで「やり続けられる人」と「脱落する人」の違いを追い、答えを出しました。それがGRITです。

GRITとは、Guts(度胸)・Resilience(復元力)・Initiative(自発性)・Tenacity(執念)の頭文字を取った言葉であり、より端的には「情熱(Passion)と粘り強さ(Perseverance)」の組み合わせです。短距離走のような瞬発力ではなく、マラソンのような長距離を走り続ける力です。そしてこのGRITは、才能とほとんど相関しないとダックワースは言います。

【やり抜く力GRIT】「才能より情熱と粘り強さが人を遠くへ連れていく」01

(2)努力は才能の2倍重要——GRITの方程式

本書が示す最も重要なフレームワークが、次の2つの方程式です。

才能 × 努力 = スキル
スキル × 努力 = 達成

この2つの式から「努力」を消してみると、「才能 = 達成」になりません。才能はスキルを形成する過程の1要素に過ぎず、達成に至るまでに努力は2回登場します。つまり「努力は才能の2倍重要だ」ということです。

実際にダックワースが引用する研究でも、長期的な成功を最も強く予測するのは、初期の才能や知能指数ではなく、失敗しても諦めずに続ける力であることが繰り返し示されています。「10,000時間の法則」で有名なアンダース・エリクソンの研究も同様の結論を指しています。

才能があることは確かに有利ですが、才能があっても努力しない人は、才能は劣っても努力し続けた人に最終的には追い越されます。「自分には才能がないから」という言い訳が通じない理由が、この方程式にあります。

【やり抜く力GRIT】「才能より情熱と粘り強さが人を遠くへ連れていく」02

(3)GRITを育てる「4つの心理的資産」

GRITは生まれつきの性格ではなく、後天的に育てられる力だとダックワースは言います。そのために必要な4つの心理的資産が本書のメインテーマです。

① 興味(Interest)

GRITの高い人は、取り組んでいることを「好き」だと感じています。最初から情熱があったわけではなく、続けるうちに興味が深まり、やがて「もっと知りたい」という好奇心に発展します。「好きなことをやれ」という言葉は結果論であり、まずは「自分が少しでも面白いと思えることを探すこと」が出発点です。

② 練習(Practice)

「ただやり続ける」ではなく、「意図的な練習(デリバレート・プラクティス)」が重要です。自分の弱点に意識的に取り組み、フィードバックを得て、少しずつ改善していく。この繰り返しが、スキルを指数関数的に伸ばします。楽しいことだけを練習するのではなく、苦手なこと・不快なことと向き合う練習が、GRITを鍛えます。

③ 目的(Purpose)

自分のためだけでなく「誰かの役に立つ」という目的意識が加わると、GRITは飛躍的に高まります。「やってみよう!」の②で問いかけた「なぜを3回繰り返す」ワークは、この目的意識を掘り下げるためのものです。収入・昇進・評価といった個人的な目標の先に「誰かへの貢献」が見えると、困難な状況でも踏みとどまる力が生まれます。

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④ 希望(Hope)

「状況は変えられる」「努力すれば自分は変われる」という信念が、GRITを支えます。これは楽観論ではなく、キャロル・ドウェックが提唱する「成長マインドセット」と深く重なります。失敗を「才能の限界」と解釈するのか、「まだ努力が足りないサイン」と解釈するのか——この解釈の習慣が、長期的なGRITの高低を決めます。

(4)「やり続ける力」を日常で鍛える——ハードシング・ルールとは

本書が提唱する実践的な習慣のひとつが「ハードシング・ルール」です。ダックワース自身が家族に実践させているルールで、内容は非常にシンプルです。

難しいことを、ひとつ毎日やること。そして途中でやめないこと。

ただし重要な補足があります。「自分で選んだことであること」。親や誰かに強制されたものではなく、自分が選んだ「難しいこと」をやり続ける経験が、GRITを育てます。

また「シーズン終了まではやめない」というルールも重要です。水泳を習い始めたなら、最低でも1シーズンは続ける。途中でつらくなっても、シーズンが終わるまでは続ける。この「自分との約束を守る経験」が、やり抜く力の土台になります。「今日だけはさぼっていい」という例外を認め続けると、GRITは育ちません。

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(5)GRITは意志の問題ではなく、環境と文化で育つ

「やり抜く力がないのは、自分の意志が弱いからだ」と思っている人は多いでしょう。しかし本書の後半では、GRITは個人の意志力よりも、環境と文化の力によって大きく左右されることが示されます。

GRITが高い組織・チーム・家族には共通点があります。高い基準を持ちながらも、サポートが充実していること。「困難を乗り越えることが当たり前」という文化が根付いていること。互いの成長を応援する雰囲気があること。

これを「GRITを育てる文化」と呼ぶとするなら、職場・家庭・学校のどの環境においても、リーダーや親がGRITのモデルを示すことが重要だとダックワースは主張します。「やり抜く力を育てたければ、まず自分がやり抜く姿を見せる」——これは個人の問題であり、同時にリーダーシップの問題でもあります。

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2.必要な準備

事前準備
「やってみよう!」の①〜④を事前に書き出しておくと、この記事の内容がより深く刺さります。特に「今自分が取り組んでいること」と「その目的」を明確にしてから読むことで、GRITの4つの資産のどれが自分に不足しているかが見えやすくなります。
用意するもの

・ノートかメモアプリ(「なぜを3回繰り返す」ワークの記録用)

・カレンダー(ハードシング・ルールを実践するための「続ける期間」を決めるため)

3.参考例

例1:仕事でなかなか成果が出ず「自分には向いていない」と感じているとき

状況:営業職として2年目。毎月目標数字に届かず、「自分には営業の才能がないのかもしれない」と感じ始めている。同期には成績優秀な人がいて、「あの人は生まれつきコミュニケーション能力が高い」と思っている。転職も考え始めているが、何をやっても同じかもしれないという不安もある。

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GRITの視点からの問いかけ

まず「才能の差か、努力の差か」を問い直す。成績優秀な同期は、商談前に何を準備しているか。失注したときにどう分析しているか。顧客の情報をどれだけ深く把握しているか——観察してみると、「生まれつきの才能」ではなく「日々の意図的な練習の差」が見えてくるはずです。

次に「なぜ営業をやるのか」を3回掘り下げる。「収入のため」→「何のために稼ぐのか」→「家族のため・やりたいことのため」。目的が明確になると、「数字が出ない」という状況に対する耐性が変わります。

気づき:成果が出ないことを「才能の問題」と結論づけた瞬間、改善の努力は止まります。GRITの視点では、「まだ意図的な練習が足りないだけ」という解釈が成立します。転職を考える前に、「意識的に弱点と向き合う練習を3ヶ月続けてみる」という選択肢が生まれます。

例2:スキルアップの勉強が続かないとき

状況:英語の勉強を始めようと参考書を買ったが、3日で止まった。プログラミングも同じことの繰り返し。「自分は継続力がない性格だ」と思い込んでいる。続けられないのは意志が弱いからだと感じている。

【やり抜く力GRIT】「才能より情熱と粘り強さが人を遠くへ連れていく」07

GRITの視点からの問いかけ

「継続力がない」のは性格ではなく、GRITの4つの資産のどれかが欠けているサインです。

興味が浅い:「英語を話したい」という漠然とした目標ではなく、「この人と英語で会話したい」「この本を原書で読みたい」という具体的な対象を持てているか。
目的がない:「英語ができると就職に有利」という他人軸の目的ではなく、「英語ができることで、自分は何ができるようになるのか」という自分軸の目的があるか。
練習が楽しいことだけ:好きな部分だけやって、苦手な文法や単語の暗記を後回しにしていないか。
気づき:続かないのは意志の問題ではなく、「なぜやるのか」が自分の中で本物になっていないことが多い。「3日で止まった参考書をまた買う」より、「なぜ自分はこれを学びたいのか」を掘り下げることが先決です。目的が腑に落ちたとき、GRITは自然と育ちます。

4.まとめ:才能を言い訳にしない生き方へ

「才能がある人はいる。でも才能だけで遠くへ行った人はいない」——これがGRITの本質的なメッセージです。

才能は確かに有利に働くことがあります。でも才能は、努力しなければ「やり損ね」に終わります。方程式を思い出してください。「才能 × 努力 = スキル、スキル × 努力 = 達成」。努力は2回登場します。才能は1回です。

GRITは生まれつきの性質ではなく、育てられる力です。自分が少しでも興味を持てることを探し、意図的な練習を積み重ね、自分の行動が誰かの役に立つという目的を持ち、「状況は変えられる」という希望を手放さない——この4つの資産を少しずつ育てることが、GRITを高めていきます。

難しいのは、GRITが成果として見えるまでに時間がかかることです。「努力しているのに結果が出ない」という時間が必ずあります。その時間をどう過ごすかが、最終的な結果を分けます。「才能がないから」と諦める人と、「まだ足りないだけだ」と続ける人の間にあるのは、生まれつきの資質の差ではなく、GRITの差です。

今日から一つだけ試してください。「やってみよう!」の「なぜを3回繰り返す」ワークをやってみる。その答えが腑に落ちたとき、あなたのGRITは静かに動き始めます。

【やり抜く力GRIT】「才能より情熱と粘り強さが人を遠くへ連れていく」08

この記事を探求できるおすすめ書籍5選

『やり抜く力 GRIT——人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース

本記事の参考書籍です。著者のアンジェラ・ダックワースはペンシルベニア大学心理学部教授で、マッカーサー財団の「天才賞」受賞者。教育現場・軍・スポーツ界など多様なフィールドで数千人のデータを収集・分析し、「長期的な成功を最も強く予測するのはGRITだ」という結論を導きました。本書は「才能神話の解体」から始まり、GRITの方程式・4つの心理的資産・ハードシング・ルール・GRITを育てる文化の作り方まで、理論と実践の両面から体系的に解説されています。翻訳は神崎朗子氏、出版はダイヤモンド社。世界累計100万部超のベストセラーで、「自分には才能がない」と思ったことがあるすべての人に読んでほしい一冊です。

『マインドセット——「やればできる!」の研究』キャロル・S・ドウェック

スタンフォード大学教授のキャロル・ドウェックが、30年以上の研究から導き出した「成長マインドセット」の概念を解説した一冊です。翻訳は今西康子氏、出版は草思社。本書の核心は「才能や知能は固定されたものではなく、努力によって伸ばせる」という信念——「成長マインドセット」と、「才能は生まれつき決まっている」という「固定マインドセット」の対比です。GRITの「4つの心理的資産」のうち「希望」の部分と直接つながります。「失敗は才能の限界を示すものではなく、まだ成長の途中であることを示すサインだ」という解釈の転換は、GRITを育てるための最も根本的な変化です。GRITを読んで「でもどうすれば諦めない思考回路を作れるのか」と感じた人に、具体的な答えを与えてくれます。

『やり抜く人の9つの習慣——コロンビア大学の成功の科学』ハイディ・グラント・ハルバーソン

コロンビア大学動機科学センター副所長のハイディ・グラント・ハルバーソンが、目標を達成できる人とできない人の違いを、心理学の最新研究をもとに解説した実践書です。出版はディスカヴァー・トゥエンティワン。本書が紹介する「if-thenプランニング」(もし〇〇になったら、〇〇をする、と事前に決めておく)は、GRITの「意図的な練習」を日常に組み込むための具体的な方法です。「意志の力に頼らずに行動を習慣化する」という観点は、GRITを「精神論」ではなく「仕組み」として実践するうえで不可欠な視点。コンパクトなボリュームで読みやすく、GRITを読んだ次の日から実践するための行動指針として最適な一冊です。

『フロー体験 喜びの現象学』ミハイ・チクセントミハイ

「フロー」という概念を提唱したシカゴ大学の心理学者ミハイ・チクセントミハイによる名著です。翻訳は今村浩明氏、出版は世界思想社。フロー体験とは、ある活動に完全に没入し、時間を忘れ、努力を意識せず行動できている状態のことです。GRITの「4つの心理的資産」の最初の資産である「興味(Interest)」が深まると、人はフローに近い状態で物事に取り組めるようになります。「あの人はなぜ楽しそうに難しいことを続けられるのか」——その答えが、フロー体験の仕組みにあります。情熱と没頭がどのように生まれるかを神経科学と心理学の両面から解き明かす本書は、GRITの「情熱(Passion)」の側面を深く理解するための最良の補助線になります。

『失敗の科学——失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイド

航空業界・医療業界・スポーツ界など多様な分野での「失敗の扱い方」を比較分析し、なぜある人・組織は失敗から学べるのに、ある人・組織は同じ失敗を繰り返すのかを解き明かした一冊です。著者のマシュー・サイドは元英国卓球チャンピオンでジャーナリスト。翻訳は有枝春氏、出版はディスカヴァー・トゥエンティワン。

GRITとの接続は直接的です。「才能がないから失敗した」と解釈する人は失敗を隠し、次の挑戦をやめます。一方「まだ学べることがあるから失敗した」と解釈する人は失敗をデータとして使い、改善を続けます。本書が明らかにするのは、後者の姿勢こそが長期的な成長を生み出すという事実です。これはGRITの「希望(Hope)」——「状況は変えられる、自分は変われる」という信念——と完全に重なります。また本書で紹介される「限界的改善(マージナル・ゲインズ)」の思想——毎日1%の改善を積み重ねることで圧倒的な差が生まれる——は、GRITの「意図的な練習(Practice)」の概念を実践的に補強してくれます。「やり抜く力」を育てるには、失敗を恐れない姿勢が土台になる。その確信を、豊富な実例と鋭い分析で与えてくれる一冊です。

参考文献

アンジェラ・ダックワース著、神崎朗子訳『やり抜く力 GRIT——人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』ダイヤモンド社、2016年

コトバのチカラ

Without effort, your talent is nothing more than your unmet potential.

努力なくして、あなたの才能は単なる未実現の可能性に過ぎない。

アンジェラ・ダックワース


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