第12回【新しい発想を得る方法】使ってはいけない禁句を設定しよう|言葉の本質を深掘りする創造的思考法

新しい発想を得る方法
もんとり
もんとり

新しい発想を得るためには禁句を用いるという方法がある。企画立案や課題解決で行き詰まったときに活用してみてはいかがだろうか?

こんな人に読んでほしい

・会社や組織の強みを発見したい人

・新しい企画を考えたい人

・理念や思想を深く浸透させたい管理者の方

やってみよう!

(推奨人数:3人以上)

①自社のパンフレットを持ってくる。
②そのパンフレットの中のキーワードを一つ選ぶ。
③そのキーワードを使わずに商品・サービスを説明するパンフレットを作ってみる。
④終わったら全員が発表する。
(パンフレットは自社ホームページで代用可)

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1.ポイント:禁句で新しい気付きを得る

ある家電メーカーのマネージャーは報告書から「ロイヤリティ」「ブランド・エクイティ」という言葉を禁じた。そうすることによってスタッフはその言葉を表現するために、その言葉に隠された意味について真剣に考えるようになる。

例えば、あるスタッフは「インセンティブ」という言葉を使わずに、インセンティブに関する文書を書こうとしたときに自社の顧客インセンティブ・プログラムが心理的報酬を提供できていないことに気が付いた。

このように使ってはいけない言葉を設定することで、新たな気付きを得ることができる。

2.必要な準備

事前準備

パンフレットやホームページの、どのページを使うか予め選定しておくと取り掛かりやすい。

用意するもの

・自社のパンフレット
・新しいパンフレット作成に必要なツール
※ホームページを使う場合は、そのページを見るためのツール

3.参考例:言葉をリスト化に深掘りしよう

顧客に届けるパンフレット(ホームページ)のなかには、自社の強みとして使っている言葉がたくさんあるはずである。例えば、一般的な言葉で例を挙げると、こういう言葉がないだろうか?

・社会貢献
・社会的価値
・インフラ
・生活の質(豊かな暮らし)
・プラットフォーム
・課題解決
・グローバル
・フラッグシップ
・イノベーション
・DX
・ワーク・ライフ・バランス
・ダイバーシティ
・女性の活躍
・各企業が掲げる企業理念

例えば、いずれかの言葉がパンフレット(ホームページ)に散りばめられているとして、その言葉を使わずに同じことを伝えるためには、言葉の意味を深堀する必要があるということが分かるだろう。

4.まとめ

「信頼」という言葉を禁句にしてみた。お客様からの信頼とは何かを追求していく。信じて頼まれるために私たちの会社ではどういうことを意識して変えていく必要があるだろうか?

求められる期待値を上回ること
大切なのはスピード対応と正確性
商品の安全性も訴求してみては
うちの会社は長年の歴史で蓄積したノウハウが最強の武器
一番大きな実績を載せてみてはどうか
名の通った取引先掲載も許可をもらおう

「信頼」を表現するためのいろんなアイディアが出てくる。一言で片付けていたことが、より具体的になっていくつも出てくると、より訴求力の強いパンフレットやホームページが完成する。もし今までにない新しい発想が出てきたなら、積極的に取り入れ具現化していくことで、自社への想いが強い組織構築への第一歩になるはずである。

この記事を探求できるおすすめ書籍5選

『アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング

1940年初版刊行以来、80年以上読み継がれる古典的名著。この記事のテーマである「禁句を設定して新しい気付きを得る」という手法の理論的背景を理解できる一冊です。「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」という原理は、この記事で紹介している「使ってはいけない言葉を設定することで、その言葉に隠された意味を真剣に考える」というアプローチと一致します。わずか100ページ程度の薄い本ですが、アイデア創出の5段階プロセスがコンパクトにまとめられており、この記事のワークを実践する際の理論的支柱となる内容です。60分で読めるけれど一生役立つバイブルとして、多くのクリエイターに愛読されています。

『考具 ―考えるための道具、持っていますか?』加藤昌治

博報堂の現役プランナーが、実際に使っているアイデア発想のツール(考具)を惜しみなく公開したベストセラー。この記事で紹介している「禁句を設定する」というテクニックは、本書で紹介されている「制約をかけることで発想を広げる」手法の一つです。カラーバス、マンダラート、マインドマップなど、21の具体的な「考具」が紹介されており、この記事のワークをさらに発展させたい方に最適。「考えるとは『広げること』と『深めること』」という著者のメッセージは、この記事の「言葉の本質を深掘りする」というテーマと完全に重なります。2003年発売以来のロングセラーで、企画立案やアイデア出しに悩むすべてのビジネスパーソンの必読書です。

『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』柿内尚文

累計10万部突破、「視点をずらす」「見方を変える」ことでアイデアを生み出す思考法を解説したベストセラー。本書のタイトルそのものが、この記事のテーマである「禁句を設定して新しい発想を得る」という手法の応用例です。「パン屋でパンを売る」という当たり前の発想を禁じ、「おにぎりを売る」という異質な組み合わせから新しい価値を生み出すアプローチは、この記事で紹介している「使ってはいけない言葉を設定して、その言葉を表現するために真剣に考える」手法と一致します。「考える=『広げる』+『深める』」という構造で、この記事のワークを日常業務に応用するヒントが満載。編集者として1000万部以上の本を企画してきた著者の実践的ノウハウが詰まった一冊です。

『思考法図鑑 ひらめきを生む問題解決・アイデア発想のアプローチ60』株式会社アンド

ベストセラー『ビジネスフレームワーク図鑑』の著者による、60の思考法を図解で学べる決定版。この記事で紹介している「禁句を設定する」手法は、本書で解説されている「制約思考」「逆説思考」「水平思考」などの応用です。論理的思考、デザイン思考、批判的思考など、古今東西の様々な思考法がイメージしやすい図解テンプレートで紹介されており、この記事のワークをさらに体系的に理解できます。PowerPointテンプレートがダウンロード可能で、すぐに実践できる点も魅力。記事の「言葉の本質を深掘りする」というアプローチを、60の異なる角度から試せる、まさに思考法の引き出しを増やす一冊です。

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』木村尚義

累計8万部突破のロングセラー。この記事のテーマである「禁句を設定して新しい発想を得る」手法は、本書で解説されている「ラテラルシンキング(水平思考)」の実践例そのものです。「発想に一切の制約を設けず、あらゆる可能性から問題を解決する」というラテラルシンキングの考え方は、この記事で紹介している「ロイヤリティやブランド・エクイティという言葉を禁じることで、その言葉に隠された意味を真剣に考える」アプローチと一致します。ロジカルシンキングでは解決できない問題を、「ずるい(賢い)」発想で突破する方法が、一休さんのトンチ話から現代ビジネスまで、豊富な事例とともに紹介されています。この記事のワークを日常的に実践したい方の必読書です。

参考文献

ジェラルド・ザルトマン『心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす Harvard Business School Press』‎ ダイヤモンド社、2005年

コトバのチカラ

ほとんどすべての人は、もうこれ以上アイデアを考えるのは不可能だというところまで行きつき、そこでやる気をなくしてしまう。いよいよこれからだというのに・・・
トーマス・エジソン


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