
ワークショップやイベントでの自己紹介はなるべく明るい雰囲気で行いたいですよね。初対面同士がお互いのことを早く知ったり、よく顔を合わせる人同士がお互いの意外な一面を知ったりすることができれば、ワークショップやイベントの進行もスムーズにいきます。
・ワークショップやイベント主催の人
・新人教育担当の人
・場の空気を和ませる役割の人
(推奨人数:5人以上)
①円座になる。
②最初の人は、自分の右側の人が好きそうなものを想像して発表する。
③それを受けて右側の人は「そうなんですよ」や「いや、実はこちらのほうが・・・」といったコメントをしたあと、自分の右側の人の好きそうなものを想像して発表する。
④それを人数分繰り返す。
1.ポイント:明るい自己開示
あるワークショップでは自己紹介のときに「地球の中で一番好きなもの」を一つ、簡潔に発表させている。人は好きなものを話すとき、とてもイキイキとした表情になります。
子供の寝顔、食後のうたたねなど、ほほえましいものが発表されるとその場の雰囲気が和やかになります。またその人の内面がわかるので、一見いかつい人の印象ががらりと変わったりもします。雰囲気作りには「明るい自己開示」が必要です。
2.必要な準備
なし
なし
3.参考例:自己紹介テーマ
明るく自己開示を促す自己紹介のテーマとして以下のようなものもあります。
・出身地のご当地自慢
・好きな季節とその季節にやっていること
・楽しみにしているイベント
・休日の過ごし方
・過去の笑える失敗談
・困難な状況を乗り越えた経験談
・自分自身のちょっとした欠点
いくら自己開示が大事とはいえ、テーマ設定には気をつけましょう。初対面の相手にいきなり深い悩みやネガティブなことを話しても「明るい」自己紹介の場にはなりません。
また、すべての人が自己開示がうまくできるわけではなく、自己開示に消極的で苦手な人もいます。そういう人は相手に不信感や警戒心を持っているため、自分自身のことを話すことがストレスになりますので、まずは上記の中でも当たり障りないテーマから始めてみましょう。
4.まとめ
今回は自己開示を促す「やってみよう!」を紹介しました。自分の情報を開示すると、相手も情報を教えてくれるようになります。この自己開示によって初対面の人とも会話が弾み、お互いの距離を早く縮めることができるようになります。
しかし、いきなり自己開示してください!と言っても初対面であればなおさら信頼関係が全くできていないわけですから逆効果になってしまいます。ワークショップやイベントを回す主催の人は、参加者に自己紹介をさせる場合は「まずは自分から」の意識で進めていきましょう。今回の「やってみよう!」もまずは参加者に主催者の好きそうなものを想像・発表してもらい、主催者から自己開示を始めることをお勧めします。
この記事を探求できるおすすめ書籍5選
『ワークショップ 新しい学びと創造の場』中野民夫
この記事の参考文献として挙げている、ワークショップの基本を体系的に学べる名著。この記事で紹介している「円座になる」「地球の中で一番好きなものを発表する」といった自己紹介の手法が、本書で詳しく解説されています。この記事のテーマである「明るい自己開示」を促すファシリテーション技術を、理論と実践の両面から深く理解できます。特に第3章「ワークショップの技法」では、この記事で触れている「人は好きなものを話すとき、とてもイキイキとした表情になる」という観察を、心理学的背景とともに学べます。ワークショップやイベント主催者、新人教育担当者の必読書です。『そのまま使える アイスブレイクのアイデア帳 会社でも学校でも確実に”場”が暖まる33選』ワークショップ探検部
2023年12月発売の最新アイスブレイク実用書。百戦錬磨のファシリテーター5人が厳選した33のアイスブレイクを、「緊張をほぐす」「お互いを知る」「対話を活性化する」など場面別・目的別に紹介します。この記事のテーマである「自己紹介で明るい雰囲気作り」を、「妄想自己紹介」など具体的な手法で実践できます。この記事で紹介している「出身地のご当地自慢」「好きな季節とその季節にやっていること」といった自己開示テーマを、さらに発展させる33のアイデアが満載。Q&A集も充実しており、「盛り下がってきたらどうしよう?」といった実践的な悩みにも答えてくれます。『リラックスと集中を一瞬でつくる アイスブレイク ベスト50』青木将幸
10年以上読み継がれるアイスブレイクの定番書。プロのファシリテーターが実践してきた50種類のアイスブレイクを、7つのカテゴリーで紹介します。この記事のテーマである「初対面の距離を縮める」「場の空気を和ませる」という目的にぴったりの技が満載。「じゃんけんはアイスブレイクの王道」「自己紹介をアイスブレイクのチャンスに」など、この記事で紹介している自己紹介手法の理論的背景を深く理解できます。各アイスブレイクの効果、所要時間、人数が明記されており、5人以上の大人数にも対応。この記事の「まずは自分から」という姿勢の重要性も学べます。『今日から使えるワークショップのアイデア帳 会社でも学校でもアレンジ自在な30パターン』ワークショップ探検部
アイスブレイクだけでなく、その後の本格的なワークショップまで網羅した実践書。Part1でアイスブレイク4パターンを紹介し、さらにチームビルディングやアイデア出しなど、初対面の後に続く活動のアイデアも満載。この記事で触れている「自己開示によって初対面の人とも会話が弾み、お互いの距離を早く縮めることができる」という考え方を、ワークショップ全体の流れの中で実践する方法が学べます。会社でも学校でもアレンジ自在な内容で、記事の対象者である「ワークショップやイベント主催の人」「新人教育担当の人」に最適な一冊です。『人は話し方が9割』永松茂久
累計140万部突破、令和No.1のベストセラー。この記事のテーマである「自己開示」「初対面の距離を縮める」を、会話術の観点から学べる一冊です。本書の核心である「拡張話法」は、この記事で紹介している「人は好きなものを話すとき、とてもイキイキとした表情になる」という観察を、実践的な会話テクニックとして体系化したもの。この記事の「自分の情報を開示すると、相手も情報を教えてくれるようになる」というメッセージを、日常会話レベルで実践する方法が学べます。ワークショップだけでなく、あらゆる人間関係で応用できる、自己開示と傾聴の技術が満載です。参考文献
中野民夫『ワークショップ―新しい学びと創造の場』岩波新書、2001年
あのときの あの苦しみも あのときの あの悲しみも みんな肥料になったんだなぁ じぶんが自分になるために
相田みつを


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