PR

第12回【偉人の言葉】「我以外みな師」|宮本武蔵に学ぶ、”知ってるつもり”を捨てる強さ

我以外、みな師 偉人の言葉から学ぼう
もんとり
もんとり

会議で若手が意見を言ったとき、心のどこかで「いや、そういうもんじゃないんだよ」と思ってしまった。マニュアルを読まずに「だいたい分かる」と手を動かし始めた。

 

——別に、傲慢なつもりはない。ただ、慣れただけ。

 

けれど、その「慣れ」こそが、学びが止まるサインなのだとしたら。生涯無敗と伝えられる剣豪・宮本武蔵は、驚くほど謙虚な言葉を残しています。

こんな人に読んでほしい

・仕事に慣れてきて、成長が止まっている気がする人

・年下や後輩から学ぶことに、少し抵抗を感じてしまう人

・もう一度、何かを吸収する感覚を取り戻したい人

スポンサーリンク

言葉の意味

宮本武蔵の言葉として、こう伝えられています。

「我以外皆我師(われいがいみなわがし)」

意味はとてもシンプルです。自分以外のものは、人でも物でも、すべて自分に何かを教えてくれる師である。

ここで大事なのは、「師」の範囲がとてつもなく広いことです。優れた先輩や専門家だけではありません。年下の後輩も、苦手なあの人も、失敗した経験も、道端の石ころも、吹き抜ける風さえも——この世のすべてが、自分に何かを教える存在なのだと言い切っています。

そしてこの言葉が鋭いのは、裏を返すと「学べないのは、相手のせいではなく、自分の姿勢のせいだ」という指摘になっている点です。世界は常に何かを教えてくれている。それを受け取れるかどうかは、こちらが頭を垂れているかどうかで決まる——そういう厳しさを含んだ言葉なのです。

我以外、みな師01

言葉の背景

宮本武蔵(1584?–1645)は、江戸時代初期の剣豪です。13歳で初めて勝負に臨み、生涯で六十余度の真剣勝負にすべて勝ったと伝えられています。晩年には兵法書『五輪書』を著し、その内容は現代でも経営やスポーツの世界で読み継がれています。

注目したいのは、武蔵には「これが正解」と教えてくれる流派の師がいなかったことです。名門に弟子入りして型を授かったのではなく、彼は自分で剣を磨くしかありませんでした。

では、どうやって強くなったのか。答えは、戦った相手すべてから学んだことです。異なる流派、異なる武器、異なる間合い。ひとりと戦うたびに、自分に足りないものが見えてくる。勝った勝負より、ひやりとした勝負のほうが多くを教えてくれる。そうして他人の技を吸収し続けた先に、二刀を操る独自の兵法(二天一流)が生まれました。

つまり彼にとって「我以外皆我師」は、美しい心構えの話ではありません。師のいない者が最強になるための、唯一の方法論だったのです。

我以外、みな師02

現代の私たちへの学び

私たちは、誰もが「まっさらな心」で生まれてきます。言葉も知らず、常識も持たず、目に映るものすべてが初めての驚きでした。親から、友達から、先生から、自然から——次々と吸収して大きくなっていきます。

ところが、ある時期からそれが止まります。原因は能力ではありません。「もう知っている」と思った瞬間です。

「その話は聞いたことがある」「若い子の意見だから」「うちの業界では通用しない」——こうした一言が口をついて出るとき、私たちは目の前の”師”を追い返しています。武蔵の言葉を借りれば、それは世界中に転がっている学びを、自分から拒否している状態です。

逆に言えば、「まだ知らない」と認められる人だけが、次の高みに行けるということでもあります。年下の後輩が持つ新しい視点。うまくいかなかった仕事が教えてくれる修正点。子どもの「なんで?」という素朴な問い。すべてが、自分を一段引き上げる教材になり得ます。

強くなるほど、頭を下げる。高く昇るほど、深く礼をする。それは弱さではなく、学び続ける人だけが持てる強さなのだと思います。

我以外、みな師03

音楽で味わう

この言葉を、私が運営するYouTubeチャンネル「Wisdom in Music」で、「我以外みな師」という一曲にしました。和の音色に現代のビートを重ねた、力強い一曲です。

意味を知ったうえで聴くと、また違って響くはずです。よかったら、聴きながら続きをどうぞ。

歌詞

泣き声ひとつで この世に生まれた
名前も言葉も 何も持たずに
空の青さも 雨の冷たさも
全部が初めて まぶしい先生

親の背中で 歩き方を
友の隣で 笑い方を
覚えたはずなのに いつの間にか
知ってる顔で 目を閉じてた

我以外 みな師
吹き抜ける風も すれ違う影も
名もなき石も きみの一言も
そっと頭を 垂れたその先に
道はひらく 我以外 みなわが師

刃を交えた あの日の友
勝った夜より 負けた夜が
深く刻んだ ひとつの傷が
明日の構えを 教えてくれた

強さの先に 驕りがあれば
学ぶ心が こぼれ落ちる
まだ知らないと 認めた者だけ
次の高みへ 駆けてゆける

我以外 みな師
吹き抜ける風も すれ違う影も
名もなき石も きみの一言も
そっと頭を 垂れたその先に
道はひらく 我以外 みなわが師

幼子の「なぜ?」に ハッとする
老いた大樹は 黙って立つ
躓いた石も 流れる川も
こぼした涙さえ 師となる
忘れてた あのまっさらな心を
今 もう一度 この手に

我以外 みな師
出会うすべてが 道しるべになる
高く昇るほど 深く礼をして
学ぶ心を 抱いて生きてゆく
道はひらく 我以外 みなわが師
さあ 我以外 みなわが師

みなわが師

この言葉をもっと深く知る本

「学ぶ姿勢」をもう一度整えたい方へ。3冊をご紹介します。

『五輪書』宮本武蔵

武蔵が晩年、洞窟にこもって書き上げた兵法書です。地・水・火・風・空の五巻からなり、剣の技術だけでなく、勝負に臨む心構えや、物事の本質の見極め方が語られています。

驚くのは、その内容が現代のビジネスにもそのまま通じることです。「観の目つよく、見の目よわく(表面ではなく本質を見よ)」といった言葉は、そのまま仕事の指針になります。現代語訳や解説付きの版を選べば、思ったより読みやすい一冊です。

五輪書(別書)はAudibleでも聴けます。通勤・家事の「ながら時間」に読書を取り入れたい方は、まず無料体験から始めてみてください。 AmazonのオーディオブックAudible

『学問のすすめ』福沢諭吉

「天は人の上に人を造らず」で知られる名著ですが、その核心は学び続けることでしか人は変われないという一貫した主張です。生まれや身分ではなく、学ぶ姿勢が人生を決めると説きます。

武蔵の「すべてが師である」という態度と、驚くほど響き合う一冊。明治の言葉ながら、現代語訳で読めば、いま読んでも背筋が伸びます。

この本はAudibleでも聴けます。通勤・家事の「ながら時間」に読書を取り入れたい方は、まず無料体験から始めてみてください。 AmazonのオーディオブックAudible

『思考の整理学』外山滋比古

学びを「集めて終わり」にしないための本です。得た知識を寝かせ、自分の頭で組み直し、自分のものにしていく——そのプロセスが、軽やかな筆致で語られます。

すべてから学ぶという武蔵の姿勢に、「では、集めたものをどう活かすか」という視点を足してくれます。※当ブログの第3回(孔子「知ることと深めること」)でも紹介した一冊です。

もう一度、この言葉を

我以外皆我師
——宮本武蔵

この記事を読んだあとなら、最初に読んだときより、この言葉が”謙虚な標語”ではなく”強くなるための技術”に見えているかもしれません。

あなたが今日、「その話は知っている」と流してしまったことは、何でしょうか。もう一度だけ、知らないつもりで聞いてみる。——そこから、止まっていた学びがまた動き出します。


人気ブログランキングでフォロー

ロジラテ - LogiLate - にほんブログ村

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました