第48回【新しい情報にアクセスする方法】休眠状態のつながりを復活させよう|弱いつながりから価値ある機会を発見する人脈活用術

もんとり
もんとり

皆さんは、以前はしょっちゅう会ったりしていたけれど、いまは連絡をとっていない人たちがいませんか?大人になったらたくさんの人と人間関係を築きますが、一定期間に関係を維持できる人の数はそう多くありません。今回はそんな休眠状態にある人との関係を再びつなげることのメリットを学びましょう。

こんな人に読んでほしい

・仕事へのアドバイスを貰いたい人
・ちょっとした悩みを誰かに聞いて欲しい人
・日常生活がマンネリ化している人

やってみよう!

①3年以上連絡を取っていない人を書き出す。
②その中から数名に連絡を取る。
③自分の仕事やちょっとした悩みへのアドバイスを求めてみる。
④結果、自分にとってどのような価値があったか考えてみる。

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1.ポイント:なぜ休眠状態の関係を復活させるのか

休眠状態の関係を「弱いつながり」とすると、弱いつながりは異なるネットワークのように、より開かれているので新しいきっかけを発見しやすくなります。一方で、身近な親友や同僚といった「強いつながり」は、同じネットワークのなかだけで交流するので、同じ機会を共有することが多く、新しいことへの接触や刺激を受けることが少ないのです。

とはいえ、休眠状態を復活させるとなると、
「嫌だなぁ。休眠状態なのにはそれなりの理由があるのに。」
「急に連絡するのは気がひけるなぁ。」
「久しぶりなのに助けを求めるのは抵抗がある。」
など古い知り合いに連絡を取ることに不満が出てくるでしょう。

なぜ休眠状態の関係を復活させるのか

それでも休眠状態の人間関係を復活させることは、一から関係を始めることと比べると大きなアドバンテージがあります。それは再びつながる(リコネクトする)とき、まだお互いのなかに「信頼感」が残っていることです。

たくさんの休眠状態のつながりは、新しい情報に効率的にアクセスし、きっと価値の高い発見をもたらすことでしょう。もともと弱いつながりなので、またすぐになくなってしまうかもしれませんが、数年後また新しい情報が必要になったときに、きっと役に立つでしょう。

2.必要な準備

事前準備

なし

用意するもの

・休眠状態リストを書き出すツール
・連絡を取るための電話やメール

3.参考例:休眠状態のつながりの探し方

年を取れば取るほど、休眠状態のつながりはますます増えていくため、頭の中でも休眠状態のリストを作ることができるかもしれません。しかし、リスト化することで弱いつながりの中にも濃淡があることや忘れていたつながりも見つかるかもしれません。

休眠状態のつながりの探し方

休眠状態のつながりの探し方としては、以下のような物を探ってみましょう。

・SNS(フェイスブック、LinkedIn、X(旧twitter)など)
・電話帳
・名刺ファイル、名刺アプリ
・チャットツール
・過去使用していたSNS(mixi、GREEなど)
・過去のメール、手紙
・学生時代のアルバム
・同窓会のお知らせ

4.まとめ:ネットワークはすべての人のために価値を生み出す道具

弱いつながりに再びつながろうとすると、何か裏があるのではないか、助けられたらお返しをしなくてはいけないのではないか、と人間関係を損得や利害関係と捉えられることあり、話すことすら叶わないケースもあるでしょう。休眠に至るまでの相手との関係が、そもそも自分本位または相手の勝手な振る舞いによるものであれば、その関係を復活させるのは土台無理な話です。

今まで損得抜きで気前よく、知識を共有したり、スキルを教えたり、悩みを解決する手助けをしたりした実績があれば、お互いに「信頼感」が残っており、再びつながろうとしたときに二つ返事で話が進むことでしょう。

しかし、真のネットワークとは「自分のためだけにつくるものではない」ということを原則とし、かかわるすべての人が利益を得られるようになると信じましょう。あなたの「強いつながり」を考えたときに、そのつながりは利害関係でできていますか?ギブアンドテイクがないと成り立たないつながりでしょうか?

再び連絡を取ってつながることが、お互いのまったく異なる経験に触れ、お互いにとってエネルギーに満ちあふれた経験になることこそ、休眠状態の関係性を復活させるメリットです。

この記事を探求できるおすすめ書籍5選

『弱いつながり 検索ワードを探す旅』東浩紀

批評家・作家の東浩紀氏による、弱いつながりの価値を哲学的に探求した一冊です。この記事では「弱いつながりは異なるネットワークのように、より開かれているので新しいきっかけを発見しやすくなる」と伝えていますが、この本では強いネットワークに囲まれた日常から意図的に離れ、弱いつながりを通じて偶然性やノイズに触れることの重要性を説いています。台湾、インド、福島、アウシュヴィッツ、チェルノブイリ、韓国、バンコクなど著者の実際の旅を通じて、環境を変えることで検索ワードが変わり、新しい自分の可能性が開けるというメッセージは、この記事で提案している「休眠状態のつながりを復活させる」実践と深く繋がります。人生に自由と強度を与える「偶然性」への道筋を示す名著です。

『「人的ネットワーク」づくりの教科書』グロービス経営大学院

グロービス経営大学院の研究プロジェクトが、100人超のビジネスパーソンへのインタビューと800人超のアンケートをもとに、人脈づくりの方法論を体系化した決定版です。この記事では「弱いつながり」と「強いつながり」の違いを伝えていますが、この本ではネットワーキング・レベルを5段階に分け、各レベルに応じた効果的なつながりの種類を解説しています。特に「ネットワーキング・レベルが高い人は、意図的に弱い紐帯(弱いつながり)をつくり、それをさまざまな方法で活用している」という研究結果は、この記事で紹介している「3年以上連絡を取っていない人に連絡する」というワークショップの科学的根拠を提供してくれます。人見知り・引っ込み思案な人でもトレーニングで人脈力を上げられる実践的な内容です。

『コミュ障でも5分で増やせる超人脈術』メンタリストDaiGo

心理学と科学的根拠に基づいた、内向的な人でも実践できる人脈術を解説したベストセラーです。この記事では「休眠状態の関係を復活させることは、一から関係を始めることと比べると大きなアドバンテージがある。それは再びつながる(リコネクトする)とき、まだお互いのなかに信頼感が残っていること」という洞察をしていますが、この本では「リコネクティング」というテクニックが具体的に紹介されています。人脈のネットワークマップを使って休眠状態のつながりを探し、つながりを作り直す方法が科学的に解説されており、この記事で提案している「電話帳、名刺ファイル、過去のSNS、学生時代のアルバム」から休眠状態のつながりを探すアプローチを、より戦略的に実践できるようになります。

『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』アダム・グラント

この記事の参考文献として挙げている書籍そのものです!ペンシルベニア大学ウォートン校の組織心理学者による世界的ベストセラーで、人を3つのタイプ(ギバー・テイカー・マッチャー)に分類し、長期的に成功するのはギバーであることを実証研究とともに解説しています。この記事で伝えている「真のネットワークとは自分のためだけにつくるものではない。かかわるすべての人が利益を得られるようになると信じましょう」というメッセージは、本書で紹介される成功するギバーの哲学と一致します。特に「今まで損得抜きで気前よく、知識を共有したり、スキルを教えたり、悩みを解決する手助けをしたりした実績があれば、お互いに信頼感が残っている」というこの記事の洞察を、学術的に裏付ける内容が満載です。

『人脈づくりの科学 「人と人との関係」に隠された力を探る』安田雪

東京大学大学院教授によるネットワーク分析の専門書で、人脈を科学的に解明した一冊です。この記事では「弱いつながりは新しい情報に効率的にアクセスし、価値の高い発見をもたらす」と伝えていますが、この本では社会学者マーク・グラノヴェッターの「弱い紐帯の強さ」理論を詳しく解説しています。つながる数よりも質が重要で、よく会う仲間よりもたまに会う人が支えになるというネットワーク分析の知見は、この記事で紹介している「もともと弱いつながりなので、またすぐになくなってしまうかもしれないが、数年後また新しい情報が必要になったときに、きっと役に立つ」という実践的なアプローチの理論的基盤を提供してくれます。最も効率的な人間関係の築き方を科学的に学べる名著です。

参考文献

アダム・グラント『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』三笠書房、2014年

コトバのチカラ

性に合わない人たちとつきあってこそ、うまくやって行くために自制しなければならないし、それを通して、われわれの心の中にあるいろいろ違った側面が刺激されて、発展し完成するのであって、やがて、誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。
ゲーテ


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