第10回【友達とうまく付き合う方法】友を良敵として自己成長に繋げよう｜嫉妬を成長エネルギーに変換する心理戦略

１．ポイント：嫉妬できるよい敵と付き合う

自分が持っていないものを友達が持っているとき、羨ましく思ったり、先を越された歯がゆさがあったり、嫉妬してしまうこともあると思います。それが原因となり「上辺は友達、本心は敵」という関係になってしまうこともあります。

自分にないものを友達が持っていること、それはつまり、友達は「自分が知らない世界を知っている」ということです。その友達＝敵が持っているものを書き出すことにより、自分が何に嫉妬しているのか、それに追いつくことはできないか、違う形で追いつくことができないか考えてみましょう。

敵を活かす方法というのはつまり、敵になった友達とうまく向き合うことで、自分の成長につながること、大切な友達をこれからも「良い敵」として付き合っていくことができる方法なのです。

２．必要な準備

３．参考例：敵にできる存在は貴重である

例えば、こういう友達はいませんか？

・自分より稼いでいる友達
・自分よりテストの点がいい友達
・自分より就職内定を早くもらった友達
・自分より彼氏（彼女）が早くできた友達
・自分より早く結婚した友達
・自分より早く昇格した友達

人は誰しも比較してしまうもの。友でありながらも、敵にできる存在は貴重であることを認識しましょう。

４．まとめ

自分が友達を敵にすることと逆に、友達から自分への嫉妬で距離を置くことになった友達はいないでしょうか？

その友達は、その友達がもっていない何かを自分が持っていたため敵となりました。しかし、今回の「やってみよう！」で自分の敵を作って分かったように、その友達は「あなたに認めてもらいたい」「あなたに追いつきたい」と思っているはずです。そのために自分ができることは、高飛車になることなく、これからも友達を続けるために「良い敵」としてどのように向き合うかを示してあげることです。

“Keep your friends close, but your enemies closer.”
「友は近くに置いておけ。だが敵はもっと近くに置いておけ。」
映画『ゴッドファーザー2』の登場人物、アル・パチーノ（マイケル・コルレオーネ）の台詞です。

そもそも友達であればお互いの人となりが分かった上で敵になりますが、社会人になり会社入ると、友達になるレベルではなく、社内外で苦手な人や気が合わない人が立ちはだかります。それでも同じ環境の中で関係性を持って付き合っていかなければならないのです。それでも今回の「やってみよう！」から学んだように、敵を知ることは、敵の世界を知ることだということを忘れてはいけません。無理をする必要はないですが、そこから新しい自分の世界が拓けるかもしれない、と思って付き合い始めましょう。

この記事を探求できるおすすめ書籍５選

『つい他人と比べてしまうあなたが嫉妬心とうまく付き合う本』根本裕幸

この記事のテーマである「友達に対する嫉妬」を、まさに正面から扱った一冊。人気心理カウンセラーが、嫉妬を「悪いもの」ではなく「自分が本当に欲しいものが隠されているサイン」として捉え直す方法を解説します。この記事で触れている「自分が持っていないものを友達が持っているとき」の嫉妬を、自己成長のエネルギーに変える具体的なマインドセットと15の切り替えスイッチを紹介。「他人と比べる→落ち込む、攻撃する」の無限ループから抜け出し、記事の「友を良敵として付き合う」姿勢を身につけられます。2022年発売以来、嫉妬に悩む多くの読者から支持されている実践書です。

『頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法』田村耕太郎

累計70万部突破の大ベストセラー。記事の引用「Never put too much trust in friends, Learn how to use enemies（友達を過信しすぎてはいけない。宿敵を活かす方法を学ぼう）」というメッセージと一致する内容です。元参議院議員でグローバルに活躍する著者が、「アホ＝敵」を味方につけて成果を出す方法を解説。この記事で紹介している「敵を活かす方法」「良い敵として付き合う」というアプローチを、ビジネスシーンで実践するための具体的なテクニックが満載。友達が敵になってしまったとき、どう向き合い、どう自分の成長に繋げるかのヒントが詰まった実践書です。

『自分の小さな「箱」から脱出する方法 人間関係のパターンを変えれば、うまくいく！』アービンジャー・インスティチュート

全世界150万部突破のロングセラー。この記事のテーマである「友達との関係が悪化する原因」を、「箱＝自己欺瞞」という概念から紐解く名著。「上辺は友達、本心は敵」という関係になってしまう心理メカニズムを、物語形式でわかりやすく解説します。この記事で触れている「友達を敵にする」「相手を悪者にする」という心の動きが、実は自分自身の問題から始まっていることを気づかせてくれます。箱から出て相手と向き合うことで、この記事の「良い敵として付き合う」関係を築くための本質的な視点が得られる一冊。人間関係の悩みを根本から解決したい方に最適です。

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎、古賀史健

累計300万部超の大ベストセラー。この記事で触れている「友達との比較」「嫉妬」という感情の根源を、アドラー心理学の視点から深く理解できます。「対人関係の軸に競争があると、人は不幸から逃れられない」という教えは、この記事のテーマである「友を良敵として自己成長に繋げる」というアプローチに新たな視点を提供します。友達を敵にするのではなく、承認欲求を捨て、課題の分離を行い、健全な関係を築く方法を学べます。この記事で紹介している「友達に認めてもらいたい」「友達に追いつきたい」という気持ちとどう向き合うかを、哲学的に考えさせてくれる名著です。

『ライバルはいるか？ 科学的に導き出された「実力以上」を引き出すたった１つの方法』金間大介

2024年12月発売の最新作。この記事のテーマである「友を良敵として自己成長に繋げる」を、科学的データで裏付けた画期的な一冊です。社会人1200人を徹底調査した結果、ライバルがいる人はいない人に比べて「仕事の意欲が26%高い」「成長実感が36%高い」「幸福度が39%高い」ことが判明。この記事で触れている「敵にできる存在は貴重である」「嫉妬できるよい敵と付き合う」という考え方を、エビデンスベースで学べます。ライバルを「好敵手」「目標」「基準」「ゴースト（過去の自分）」の4つのタイプに分類し、それぞれとどう向き合うかを解説。この記事の実践ワークと合わせて読むことで、友達やライバルとの関係を自己成長の糧にする方法が明確になります。

参考文献

Robert Greene “The 48 Laws Of Power (The Robert Greene Collection)”, Penguin Books, 2000