アメリカ先住民が少人数で議論をする時に使っていたツールがトーキングスティックです。人が話をしている時はしっかり聴くこと!まずは相手を理解することから始めましょう。
・議論をコントロールしたい人
・少数意見も大切にしたい人
・相手に理解して欲しい人
(推奨人数:3人〜10人程度)
①トーキングスティックに使えそうな道具を一つ買ってくる。
②議論が熱くなりそうな場面でトーキングスティックの話をしてその仕組みを導入する。
③いつもの議論とどう違ったか、議論の後に参加者に聴いてみる。
1.ポイント:トーキングスティックの使い方
トーキングスティックはネイティブアメリカンの伝統から来たもので、「棒を持っている人だけが話し、持っていない人は聴く」というシンプルなルールです。
ワークショップでみんなが円座になって議論するときは、この木の棒が真ん中に置かれる。話したい人はその木の棒を持って話し、他の人は黙って聴く。他の人は話し手をさえぎることも、自ら主張することも、反対や賛成することも許されず、「内容が正しく理解できるまで黙って傾聴する」という約束があります。
この方式だと、誰が今しゃべるべきかが明らかになり文字通り、聴く姿勢、話す姿勢をとることができます。議論がスローダウンして、 いつもよりゆったりとした気分で人の意見を聴くことができるでしょう。
2.必要な準備
なし
・トーキングスティック(棒状の握りやすいもの)
3.参考例:とにかく理解する
トーキングスティックの使い方は、ポイントで説明した通りです。
トーキングスティックを持っている人は、他の人が理解をしてくれたという認識が取れるまで話す権利があり、そのため他の人は話し手を理解することに集中する必要があります。
4.まとめ
これは傾聴の基本が身に付く手法でもあり、人が話している時に、次に自分が何を話すかを考えるのではなく、相手の話している内容をまずは理解しようとする意識が強くなります。
トーキングスティックの手法は『7つの習慣』の第5の習慣「理解してから理解される」の基になる考え方でもあり、相手の発言の真意を理解し、問題の核心を的確にとらえることができるようにもなります。
普段の何気ないコミュニケーションにおいても、相手を理解することから始めることで、後に大きな成果を生み出す第一歩になることでしょう。
参考文献
中野民夫『ワークショップ―新しい学びと創造の場』岩波新書、2001年
「理解してから理解される」ことには、大きなパラダイム(認識の枠組み)転換が必要である。(人が)話をしているとき、ほとんどの人は、理解しようとして聞いているのではなく、答えようとして聞いているのだ。
スティーブン・R・コヴィー
コメント