
・転職しようか悩んでいる方
・転職活動の始め方が分からない方
・自分の市場価値を知りたい人
①下のチェックリストを付けてみよう。
②履歴書と職務経歴書を書いてみよう。
③スカウトサービスに登録してみよう。
④転職エージェントに登録してみよう。
⑤紹介される求人票を見てみよう。
⑥興味がある企業に応募してみよう。
⑦面接前に企業の情報収集をしよう。
⑧面接を受けてみよう。
⑨最終面接前に職場を見学しよう。
⑩口コミサイトを確認しよう。
1.ポイント:転職活動のポイントを押さえよう!
まず初めに、転職することにリスクはありますが、転職活動をすることは「ノーリスク」です。迷っているなら、まず行動してみないと何も変わりません。動いてみてから本当に転職すべきかどうか考えても問題ないでしょう。当然、生半可な気持ちで転職活動はできないですし、それなりの労力がかかります。しかし、転職活動に掛けた時間は、転職するしないに関わらず、今後の人生に大きな気づきを得ることができるでしょう。
転職活動を始める前にチェックしてみよう!
□ 転職してやりたいことが見つかっている
□ 自分の強み(得意)と弱み(不得意)を理解している
□ 現年収を理論値だけでなく実績値も把握している
□ 転職で譲れない条件を明確にしている
□ 家族と転職活動の相談をしている
□ パソコンを持っている
□ 履歴書用の顔写真がある
□ 現職の退職ルールを知っている
転職してやりたいことが見つかっている
転職成功への鍵は「これからやりたいこと」を定めていることです。今の職場の人間関係がイヤだから、今の年収が低いから、今の会社(あるいは業界)の将来が不安だから、今の仕事が面白くないから、と「今の不満」から転職活動は始まることが多いですが、転職活動をする上では、「これから先の自分の姿」を定めていく必要があります。不満にばかり目を向けると「それさえ解消できたら」と視野が狭くなりますので、短絡的にならないように気をつけましょう。
では「これからやりたいこと」を見つけるためにはどうしたらいいのでしょうか。それが見つかっていないと転職活動ができないわけではありませんが、まだ見つかっていない人は、転職活動をしながら見つけていきましょう!
自分の強み(得意)と弱み(不得意)を理解している
「あなたの強みと弱みを教えてください」という新卒面接で聞かれるような質問は、中途(転職)面接でも投げかけられます。あなたが自信を持って強みと言えることと、自分で認識している弱みはどこでしょうか?
即戦力を求められるキャリア採用では、今まで経験してきた仕事を振り返り、強み弱みを考えます。「ジョギングを毎朝しているので継続力と体力には自信があります」という学生が答えるような強みは企業が知りたいことではありません。今まで経験してきた仕事の中で、周りの人よりも、よくできることがありませんか?もしなければ、楽しくやれる仕事を考えてみましょう。無意識でも主体的にできている仕事は「これからやりたいこと」に繋がっていくはずです。
弱みの場合も同じく、今まで経験してきた仕事の中から考えます。誰にだって不得意な部分はあるので、弱みがあることに引け目を感じる必要ありません。しかし、自分で認識しているその弱みに今までどのように対応してきたのか、これから同じような仕事に直面したときにどのようにしようと思うかまで考えておくことが大切です。
現年収を理論値だけでなく実績値も把握している
転職しようとする背景は人それぞれですので、年収に重きを置いていない人もいると思いますが、数多ある企業から転職先を選ぶわけですから、余裕を持った転職活動をして、希望年収は最低でも今と同等以上にすることをお勧めします。
そもそも、自分の現年収がどれくらいか把握しているでしょうか?理論値では分かっていても前年の実年収を確認していない人は意外と多いです。残業代が発生する仕事や賞与変動が大きい会社では毎年年収が変わっていますので、前年の源泉徴収票(上部「支払金額」欄)で確認してみましょう。思ったより少なかった(多かった)ということもあり得ますので、直近の収入をきちんと把握した上で希望年収を決めましょう。
転職で譲れない条件を明確にしている
これからやりたいこと、強み弱み、希望年収を考えることができたら、他の譲れない条件を明確にしましょう。例えば、勤務場所(通勤時間)、年間休日数、残業時間はじめ、フレックスタイム制有無やリモートワーク、副業可否など、働き方をイメージして譲れない点を明確にしておきましょう。ここで注意してほしいのは、誰にとっても条件は良いに越したことはないので、良い条件ばかりを求めすぎるとうまくいきません。自分自身の今の環境と照らし、この点だけは絶対に譲れないというものだけを数点残しましょう。
家族と転職活動の相談をしている
転職活動を自分一人だけで進めると思わぬところで躓くこともあります。特に同居家族がいる場合は、転職後少なくとも働き方の変化や収入増減が起こりますので、転職活動を始める前に話をしておきましょう。家族を不安にさせてしまうと転職活動にも身が入りません。きちんと方向性を合わせて活動するのがベターです。「私は一人暮らしなので誰にも相談の必要はない」という方も、家族や親友には話をしてみることをお勧めします。その相手が転職経験のある方であれば、いいアドバイスを貰えるかもしれませんし、前述した強み弱みの分析にも他者視点からヒントをもらえるでしょう。履歴書・職務経歴書のチェックをしてもらうのも有効です。
ノートパソコンを持っている
転職活動をするにあたり、履歴書や職務経歴書の作成、転職エージェントへの登録やメールのやりとり、求人票の確認などをする必要があります。手持ちのスマホで行うことも可能ですが、特に書類作成にはパソコンがないと不便です。さらに、今はオンライン面接(面談)が主流です。自分が自由に使えるパソコンがないと使いたいときに使えませんし、エージェント面談や面接の日程調整も困難になります。なのでいつでも自由に持ち運びができるノートパソコンを持っておきましょう。
おすすめのノートパソコン
個人的にノートパソコンはMac一択です。この値段で軽さと安定感とサポートがセットになったノートパソコンは他にはありません。職場ではWindowsが多いので初めは使いづらいかもしれませんが、Windowsのように無駄なソフトも入っていませんし、セキュリティ的にも強いため、是非チャレンジしてみましょう。CPUはM2チップで十分、中古は買わず新品で、最新の機種を買う必要はありません。AppleCareにも入る必要はありません。
履歴書用の顔写真がある
一番面倒だと思われがちなのが、履歴書に貼る顔写真です。古い写真は使えない(直近3ヶ月以内のものが一般的な)ため、写真館等でプロに撮ってもらうか、駅などにある証明写真機を使って撮る必要があります。
スマホで撮った写真をコンビニで印刷できるサービスやデータ化できるサービスがあります。このようなサービスを使えば思っているよりもスムーズに写真は手に入ります。
しかし、簡単にスマホで写真撮影はできますが、写真に詳しい人でなければ自撮り写真を履歴書に使うことはお勧めしません。なぜなら、履歴書の顔写真は選考においてとても大切です。顔写真の髪の毛が整っていなかったり、服装が乱れていたり、表情が暗かったり、写真構図のバランスが悪かったり・・・。写真で伝えるイメージはすごく大事で、直接会う第一印象と同じくらいの影響力があります。
現職の退職ルールを知っている
退職までの道筋を捉えておきましょう。退職ルールは会社によって違いますので、就業規則等で確認します。確認することは「退職申出は退職希望日の何日前までにしないといけないか」「退職時に必要な書類」「退職金が発生するか」「賞与の支給基準」などです。
民法627条には、雇用期間の定めのない無期雇用社員は「退職日の2週間前までに申し出ることで退職が可能」とされていますが、退職にあたっての保険関係の事務手続きや書面発行等が遅延する可能性がありますので、会社のルールを優先して考えることをお勧めします。合わせて退職金や賞与の基準も確認しておけば、金銭面でも安心して転職活動に臨めます。
2.必要な準備:転職活動に必要なもの
・学歴、職歴、免許、資格の洗い出し
・前項チェックリストでポイントを押さえておく
・ノートパソコン+Wi-Fi環境
・前年の源泉徴収票
・現職の退職ルールが書かれた規則類
・履歴書、職務経歴書フォーマット
・顔写真データ
3.参考例:さあ、行動してみよう!
履歴書と職務経歴書を書いてみよう!
履歴書と職務経歴書は転職活動に必要不可欠な書面です。そしてこれらの作成には時間がかかりますので、余裕を持って作成にあたりましょう。年齢を重ねれば重ねるほど書くことも多くなり、今までの職歴や免許資格取得を思い出しながら作り始めると「あれは何年何月の出来事だったかなぁ?」となることも出てきます。
一番効率的なのは今転職をしようと思っていなくても、1年毎(年末年始や期初)に記録を残していくことです。全くゼロからの作成の場合は、落ち着いた場所でしっかり時間を取り振り返りましょう。また、職歴の棚卸は「これからやりたいこと」が見つかるきっかけにもなるので、とりあえず取り掛かってみましょう。「履歴書や職務経歴書のフォーマットがない」という人は、以下からダウンロードして使ってみてください。
スカウトサービスに登録してみよう!
スカウトサービスとは、求職者として登録をしたら採用企業や転職エージェントからスカウト(仕事の紹介)が来るサービスです。有名なサービスは「ビズリーチ」や「リクルートダイレクトスカウト」などがあります。もちろん今までの経歴などを入力する必要がありますので、まずは履歴書と職務経歴書を完成させておくと登録もスムーズです。
おすすめスカウトサービス
ここまで登録ができれば企業からのスカウト待ちになりますが、逆に自分から企業に応募することも可能です。公開されている求人を見ながら興味がある企業へ応募してみてもよいでしょう。
ちなみに企業へはあなたの名前や連絡先が公開されるわけではありません。スカウトサービスのサイトやアプリを通じてやり取りをしていくことになります。「登録したら自分が今勤めている会社の人事に転職活動していることがバレるのでは?」と思うかもしれませんが、特定の企業から自分の情報を見せない設定ができますので、自分の会社を設定しておけば安心です。
転職エージェントに登録してみよう!
スカウトサービスだけでも転職活動はできますが、転職エージェントにも数社登録しておきましょう。スカウトサービスの「ビズリーチ」に登録しておけば、転職エージェントのコンサルタントからメッセージが来ますので、いいなと思うコンサルタントに返信してみましょう。
転職エージェントに登録するメリットは、担当のコンサルタントがついて転職活動のサポートをしてくれることです。コンサルタントとの面談を通して、職歴の棚卸や今後のキャリア形成を、他の自分に似た求職者の成功事例や市場動向を用いてアドバイスしてくれます。「これからやりたいこと」が見つかっていない場合でも、面談を通して発見することもできますし、いろんな求職者を見てきているコンサルタントのアドバイスは、自身の市場価値を知る意味でとても有効です。
おすすめ転職エージェント
リクルートエージェント(20代〜30代おすすめ)
JACリクルートメント(30代後半〜おすすめ)
紹介される求人票を見てみよう!
スカウトサービスや転職エージェントに登録すると、採用企業の求人票を見ることができます。まずはスカウトが来た企業やエージェントに紹介された企業の求人票を見てみましょう。今までに考えた「これからやりたいこと」「転職で譲れない条件」を意識しながら見ていくことが大切です。
<求人票を見るポイント>
□ 何を売っている企業か(企業ホームページ確認)
□ 売っているものに魅力を感じるか
□ 理念やビジョンに共感できるか
□ 直近の業績が好調かどうか
□ 採用背景(増員か欠員補充か)
□ 募集職種と仕事内容がやりたいことか
□ 入社時ポジション(役職、配属先人員構成など)
□ 賃金(月額給与、想定年収)が希望通りか
□ 就業時間、平均残業時間と固定残業手当の有無
□ 年間休日が現職と比較して少なすぎないか
□ 就業場所(通勤時間)と転勤有無
□ どのような福利厚生があるか
□ オンライン面接か対面面接か(遠方の場合は要確認)
人によって優先度や条件が異なるため、一概に良し悪しはありませんが、自分が見たい項目だけを見るのはやめましょう。求人票には書いてあるのに後々知って「こんなはずではなかった」とならないようにしましょう。これから面接を受けようとする企業で、求人票に書いていないことや疑問に思うことは、エージェントのコンサルタントに事前に確認することをお勧めします。
興味がある企業に応募してみよう!
希望に合いそうな企業があれば、応募してみましょう。作成した履歴書・職務経歴書を提出(エージェント経由の場合はエージェントへ提出)して応募します。応募後は書類選考になり、通過したら面接日時の調整に移ります。
面接前に企業の情報収集をしよう!
面接の日が決まれば、その日までに面接企業の情報収集をしましょう。求人票を見るときに企業のホームページも見ていると思いますが、いざ面接を受けるとなると、それを見る視点も変わってくるでしょう。面接の場は、質問を受けるだけでなく、質問ができる場でもあるので、少なくとも3つは質問を考えていきましょう。
面接を受けてみよう!
さあ、いよいよ面接です。面接もある程度準備が必要ですが、準備しすぎると不自然なコミュニケーションにもなりかねませんので、下に挙げる質問にはどう答えるかくらいは考えておきましょう。
最終面接前に職場を見学しよう!
最終面接を受ける前に、働く職場を見学させてもらいましょう。見学ができるかどうかは企業によって可否がありますが、見学の時間をもらえたら、合わせて面接官以外の社員との面談ができるかも聞いてみましょう。毎日通う職場や毎日顔を合わせる社員との接点を少しでも持てれば、最終面接ひいてはその後の内定承諾へのモチベーションやヒントにもなるでしょう。
口コミサイトを確認しよう!
ここからは内定が出た後、内定承諾までにチェックすることです。企業の口コミサイトがありますので、登録してどういう口コミがあるか確認しておきましょう。ここで注意してほしいのは、口コミサイトはその企業の退職者により書き込まれていることがほとんどなので、基本的にネガティブな口コミの方が多いです。冒頭にも書いたように、転職の始まりは「不満」から始まることが多いため、かなり主観的な意見も多いことを踏まえた上で口コミを確認しましょう。
口コミを確認するのは、求人票や面接の場では語られない側面を確認するためです。特に面接の場では、企業で勤める人や職場の雰囲気を感じているわけですから、実際自分の目で見たもの、肌で感じたことと比べて、ネガティブな口コミを読んだ上でも内定承諾への納得感が得られるかを考えてみましょう。
企業口コミサイト
4.まとめ
どんな人も転職するかどうかに関わらず「自分の市場価値ってどれくらいだろう?」と転職活動を通じて知っておくことが、次に自分がすべきことへ導いてくれるでしょう。
今は転職することが自然な時代になりました。いろんな業界で人材が不足しており、若いだけで未経験でも採用してくれる会社もあるでしょう。しかし人は必ず年を取りますし、自分が30代40代になった時に「若い人より優れた何か」がなければ、選ばれるのは若い人材です。さらに外国人雇用やAI技術の進歩は著しく、求職者に求められることも変化してきています。
市場が良いからといって、合わない会社に入ったら次に移ればいい、という軽い気持ちで転職を考えないことです。それよりも自分自身の市場価値を転職活動を通じて正しく把握し、今までのスキルや経験、強みをどうしたらもっと高めることができるかを考えて転職に踏み切りましょう。
今回は求職者視点で転職活動のノウハウをまとめましたが、次回は人事担当目線で求職者をどう見ているかまとめてみますので、次回記事も合わせてチェックしてみてください。
自分の幸せをしっかり定義しておく。それができていないと、常に何かを求め、何にでも手を出し、結局何も手に入らないことになりかねません。
秋元康
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