
相手の考えや心の動きは目線から読み取ることができます。自分から見て、自分が右上を見ながら考えるときは「未来=空想」、左上を見ながら考えるときは「過去=記憶」です。
コミュニケーションにおいて、瞬時に相手の特性を捉えるには訓練がいるので、一度みんなでやってみましょう。
・人の行動心理を学びたい人
・部下を持つ管理者の人
・説得力を上げたい人
(推奨人数:3人以上)
①一人が前に立つ。
②前に立つ人の目元をスマホで録画しておく。
③他の人は過去の質問と未来の質問を、最低一つずつ投げかける。
④全員繰り返す。
⑤撮った動画を再生し、質問内容と目線の動きに注目する。
1.ポイント:ウソをつくときは右上を見る
心理学の分野では、「視線解析」「アイ・アクセシング・ビュー」と言われる視線を観察する方法で、思考や心理を分析することができるとされています。その人の視線がどちらに向くかにより、何を思い出そうとしているのかが分かります。
まず、上を向くときは、映像など視覚的イメージを思い出すとき。下を向くときは、身体的なイメージを思い出すときです。
そしてさらに視線が左上に向いたときは、記憶を辿ることを思い出していることが多いとされ、右上に向いたときは、知らない物事を想像するときとされます。
それでは、ウソをついているときはどちらを見ることが多いでしょうか?過去の事実を思い出すなら左上を見ますが、ウソはありもしないことを語るわけですから、右上を見ることが多いことになります。
2.必要な準備
投げかける過去と未来の質問を、たくさん考えてきてもらう。または、司会・ファシリテーターが質問を考えておく(後述参考例参照)。
スマホ(録画用)
スマホ設置台(目線確認用)
3.参考例:過去と未来の質問例
例えばこのような質問を用意したらどうでしょうか?
①過去の質問
「おととい食べた夕食は何ですか?」
「学生時代の一番の思い出は?」
「小さいときに好きだった歌手は?」
「今までで一番高い買い物は何?」
「今まで付き合った人の性格は?」
②未来の質問
「今日の夕飯は何を食べたい?」
「今週末は何をする予定ですか?」
「虹は七色、ではオーロラは何色?」
「老後はどういう生活をしたい?」
「100万円あったら何したい?」
4.まとめ
右脳左脳のバランスにより、この論理が逆転している場合もあるため、絶対に左が過去、右が未来とは言い切れません。しかし、視線は思考の傾向を表すものと言われるので、相手の特性をつかむことが心理を読むことに繋がります。
右脳左脳の考え方に基づく他のテクニックにこのようなものもあります。
①親指の位置
胸の前で祈るように両指を組んでみる。
右親指が上にきたら、論理的に「理解」する傾向がある。
左親指が上にきたら、直感的に「理解」する傾向がある。
②腕の位置
次に、腕を組んでみる。
右腕が上にきたら、論理的に「表現」する傾向がある。
左腕が上にきたら、直感的に「表現」する傾向がある。
このような傾向がつかめていれば、どのように相手を説得するのがよいかも対策が打てます。しかし、特性を瞬時に捉えるためには、意識して相手を見ることから始まります。「やってみよう!」を通じて訓練し、自然と相手の特性を捉えることができるようにしましょう。
この記事を探求できるおすすめ書籍5選
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心理学者・渋谷昌三教授による、他人の心理を読み解く実践的ガイドブック。この記事のテーマである「相手のウソを見抜く」「目線から心理を読む」という技術を、「口癖・話題」「行動・態度」「外見」など、6つのカテゴリーから総合的に学べます。すべてのテーマにわかりやすいイラスト・図・表が付いており、この記事で紹介している「右脳左脳のバランス」「視線の向き」といった概念を、視覚的に理解できます。ビジネスシーンや恋愛における心理の読み方も解説されており、この記事のワークを日常生活に応用するヒントが満載です。あわせて読みたい
過去が現在に影響を与えるように、未来も現在に影響を与える。
フリードリヒ・ニーチェ

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