第11回【アメリカ映画】パルプ・フィクション「導く者に人生の意義を」

パルプ・フィクション
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トレーラー紹介

レビュー

*原則ネタバレを含まないようにレビューしていますが、ストーリーの流れや一部分の内容、撮影手法などへの言及を含むことがありますので、情報を入れずに観たいという方は、鑑賞後にお読みください。

20年前に公開されたタランティーノ監督作品。バイオレンス映画は好んで観ないのだけれど、当時低調気味だったジョン・トラボルタが再起した映画ということとトレーラーでもイカしてそうなので観てみました。

パルプ・フィクション01

アメリカらしいダイナーの男女の会話から始まる映画で、オープニングで使われる音楽も心地よく、バイオレンス映画だけどコメディみたいな会話もあります。

この時代には珍しく時間軸を操作する作りになっていて、所々であれ?となりますが、話は複雑ではないのですぐに「ケチャップ」できます。

当然バイオレンス映画なので暴力、麻薬、流血、殺人シーンがあります。刺激に弱い方にはオススメできませんが、バイオレンス映画のなかでは比較的優しい方ではないかという感覚。ちなみにエロスはほぼありません。

個人的に最後のシーンは秀逸で、一回流しただけでは理解が難しいですが、さすが数多くの受賞作品だけはあるなと思わせるエンディングです。

映画の背景を読む

(1)ジュールスが語る聖書の内容と意味は?

心正しい者の歩む道は、心悪しき者の利己と暴虐で阻まれる。愛と善意をもって弱き者を導く者に祝福を。彼こそ兄弟を守り、迷い子を救う者なり。私は怒りに満ちた懲罰をもって、兄弟を滅ぼす者に復讐をなす。彼らに復讐をなす時、私が主である事を知るだろう。

ジュールスは引用元を「旧約聖書のエゼキエル書25章17節」と言っていますが、実際の旧約聖書に載っているのは一部で正確ではありません。ではどこが元ネタかというと、千葉真一主演のアクション映画『ボディガード牙(1973年)』のアメリカ版の序文です。

ジュールスは初めこの意味は考えず、殺す場にふさわしい冷血な文句と思っていましたが、最後のシーンでは「真実は、貴様が弱き者、俺が心悪しき暴虐者だ。だが努力はしてる。導く者になろうと一生懸命努力してる」と自分なりの解釈を語ります。

殺し屋が人生の意義を見出す見事なラストシーンです。

パルプ・フィクション04

(2)この映画の舞台はどこ?ダイナーは実在する?

パルプ・フィクションの舞台は、アメリカのロサンゼルス。ダイナーも郊外に「Pann’s」という名前で実在します。

お店のホームページはこちら(英語)

6710 LaTijera Blvd. Los Angeles, CA 90045

パルプ・フィクション02

ちなみに、ヴィンセントがミアと車で向かった「ジャック・ラビット・スリム」は実在しないようですが、シカゴに似たようなお店がありました。

お店のホームページはこちら(英語)

159 E Ohio St, Chicago, IL 60611

(3)この映画のサウンドトラックはある?

クエンティン・タランティーノ監督は、映画と音楽は密接に繋がっていて、台本を書いている時、最初にやることは「オープニングでかける曲を見つけること」と言っています。

(4)マーセルスの妻ミア、ブッチの彼女ファビアンの女優名は?

ミアはアメリカ・マサチューセッツ州ボストン出身の女優ユマ・サーマン(1970-)。
ファビアンはポルトガル・リスボン出身の女優マリア・デ・メデイロス(1965-)。

どちらの女優も美しく可愛い仕草が魅力的です。

パルプ・フィクション03

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基本情報

原題:Pulp Fiction
ジャンル:バイオレンス・ドラマ
公開:1994年
時間:2時間34分
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ブルース・ウィリス
受賞:第47回カンヌ国際映画祭パルム・ドール(最優秀作品賞)、第67回アカデミー脚本賞他

コトバのチカラ

Don’t write what you think people want to read. Find your voice and write about what’s in your heart.
人がこんなことを読みたいだろうって思うことを書くんじゃない。自分の心の中にある声を見つけ出してそれを書くんだ。
クエンティン・タランティーノ

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