第10回【カードゲーム】価値観の共有でチームを強くする【エンゲージメントカード】【バリューズカード】|企業内研修にも使えるコミュニケーションツール

価値観の共有でチームを強くする【エンゲージメントカード】【バリューズカード】
もんとり
もんとり
同じチームでも仲間や部下後輩が何を考えているのか分からない、会社全体の一体感が感じられない、年齢が離れた人との価値観の違いにもどかしさを感じる。こんな悩みがありませんか?それぞれに合わせたコミュニケーションが必要だと分かっていても相手が何を大切にしているか分からないままではどうしてよいか分かりません。今回はお互いの価値観を共有してコミュニケーションを円滑にするためのツールをご紹介します。
こんな人に読んでほしい

・社員研修や内定者研修を考える人事担当の人

・部下とのコミュニケーションに悩んでいる人

・コミュニケーションツールを探している人

やってみよう!

①カードゲーム「エンゲージメントカード」または「バリューズカード」を用意する。

②ゲームのルール説明をする。

③ゲームスタート!

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1.ポイント:価値観の相互理解で強いチームを作る

このカードゲームは価値観の違いを共有してコミュニケーションを円滑にし、チームビルディングに役立ちます。同じような種類のツールは多数ありますが、今回は2社のカードツールを紹介します。どちらもほぼ同じ内容ですので、デザインや製作者の想いなど好きな方を選ぶと良いです。

このゲームで身に付く力

自己理解と相互理解
チームビルディング
心理的安全性
エンゲージメント向上

ゲーム概要(出典引用:株式会社トリプルバリュー)

価値観に関する対話を通して、その価値観を選んだ背景や解釈、考え方などを相互に理解し合うことで、相手の行動や発言の受け止め方が変化します。価値観が違うことが当たり前で、価値観が違うからこそ新しいものが生まれ、価値観が違うからこそワクワクするチームになります。

価値観の共有でチームを強くする【エンゲージメントカード】【バリューズカード】03

推奨プレイ人数:2〜6人/プレイ時間:20分〜60分程度/カード94枚

推奨プレイ人数:3〜8人/プレイ時間:30分程度/カード89枚、ワイルドカード1枚

ゲームルールとポイント

価値観を共有するツールなので、ゲームに勝ち負けはありません。

配られた手札のカードから自分の価値観に一番遠いカードを捨て、山札や他の人が捨てたカードを引き、最後に残ったカードに書かれた価値観をみんなと共有します。

チームで価値観を共有し合うことにより、相互理解が深まり、信頼関係と心理的安全性が確保され、チームのエンゲージメントが高まります。その他の効果としては、業務のやり方や会議での発言の背景の理解、価値観を重んじた職場のコミュニケーションの質的向上、社内の多様性理解の促進が考えられます。

価値観の共有でチームを強くする【エンゲージメントカード】【バリューズカード】01

2.必要な準備

事前準備

なし

用意するもの

・カードゲーム「エンゲージメントカード」

 または

・カードゲーム「バリューズカード」

3.参考例:カードの言葉と活用シーン

カードの言葉

ページ下部「出典引用」に挙げる製作者のホームページを見れば分かりますが、カードにはこのような言葉が書かれています。

「自立」「リーダーシップ」「幸せ」「健康」「好奇心」「創造性」など

活用シーン

社員研修や新入社員・内定者研修、異動後のメンバーが集まる機会、別部署のメンバー同士の話のネタ、ワークショップのアイスブレイクなどに使えます。特に場を設けなくても、会社の会議室や休憩スペースにこのカードを忍ばせておくだけで自発的な社員は活用してくれるかもしれません。

価値観の共有でチームを強くする【エンゲージメントカード】【バリューズカード】02

4.まとめ:チームビルディングは自己理解と相互理解から

価値観を共有してお互いに影響し合うことで、絆を深めながら成長できる関係性を築くことがチームビルディングの第一歩です。それは「エンゲージメントを高めること」と表現されますが、それが高まることで「生産性の向上」「利益率が増加」「離職率の低下」「ミスの減少」などがメリットとして生まれます。

このコミュニケーションツールで「相手の価値観を理解してあげよう」というスタンスではなく、「自分自身の価値観と照らし合わせながらお互いに認め合おう」という意識で向き合ってみましょう。

順番としては、まずは自分自身の価値観を選び見つけ出すこと(自己理解・自己発見)。次に、自分自身の価値観を相手に見せて、話して、共有すること(自己開示・自己表現)。そしてここから相手の価値観を受け止めること(他者受容)に繋がります。自分自身の理解ができていないまま他者に向き合ってしまうと、自分自身が大切にしていることを相手に伝えることもできず、ただ単に話を聞いてくれるいい人で終わってしまいます。他者に自分自身の価値観を受け止めてもらうことが自己肯定感にもなりますし、自分はできるという自己効力感も実感することができるでしょう。

このVUCA時代において、一方的な価値観で相手を動かすことはできません。昔の時代を経験している人からすれば、何でそんな面倒なことしなくてはいけないのか、私が成長してきた道が正しいんだ、と一蹴したい気持ちになるかもしれません。そういう人は、明日の朝一にその相手の表情やしぐさを注意して見てみましょう。あなたが経験したその時のようにいい顔をしていますか?そうであれば問題ないですが、そうでなければチーム全体がイキイキとエネルギーに満ちた状態になることを目指し、今回紹介したツールなどを使って、どういう方法が一番の効果的か試行錯誤していきましょう

価値観の共有でチームを強くする【エンゲージメントカード】【バリューズカード】04

関連おすすめカードゲーム3選

はぁって言うゲーム

プレイ人数:3〜8人
プレイ時間:15分
学びとの関連性:同じ「はぁ」という言葉でも、感心の「はぁ」、怒りの「はぁ」、失恋の「はぁ」など、8種類のシチュエーションを演技で表現し当て合うゲーム。エンゲージメントカードと同様に、相手の感情や表現を読み取る力が求められます。チームビルディングの研修でも広く使われており、相互理解を深めるツールとして最適です。

ito(イト)

プレイ人数:2〜10人
プレイ時間:約30分
学びとの関連性:1から100までの数字をテーマに沿って表現し、小さい順に並べる協力型ゲーム。エンゲージメントカードと同様に、価値観の違いを楽しみながら相互理解を深められます。「価値観のズレに大笑いするパーティーゲーム」として、チームの心理的安全性を高めるのに効果的です。

カラバリューカード(自分らしさを対話で探る価値観カードゲーム)

プレイ人数:2〜5人
プレイ時間:30分〜
学びとの関連性:色分けされた価値観カードを使って、自分の価値観を明確にし、他者との違いを楽しむゲーム。エンゲージメントカードやバリューズカードと同じコンセプトですが、カラフルなデザインと丁寧な進行ガイドで、より気軽に価値観対話を始められます。1on1や新入社員研修にも最適です。

この学びを探求できるおすすめ書籍3選

『組織の未来はエンゲージメントで決まる』

エンゲージメントの定義から実践方法まで体系的に解説した入門書。日本企業のエンゲージメントがなぜ低いのか、どうすれば高められるのかを、実例とともに紹介しています。エンゲージメントカードの製作会社であるアトラエの代表・新居佳英氏が共著者であり、カードゲームの背景にある理論を深く理解できます。エンゲージメントを高める9つのキードライバーや、先進企業の実践事例が豊富で、すぐに職場で活かせる一冊です。

『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論』

埼玉大学経済経営系大学院教授による、「わかりあえない」という前提から始める組織論。価値観の違いをどう捉え、どう対話するかを「ナラティヴ・アプローチ」という手法で解説しています。エンゲージメントカードで体験する価値観の違いを、より深く理解し、実際の職場での対話に活かすための理論と実践方法が学べます。対話を通じて組織を変える具体的なプロセスが示されており、チームリーダーやマネジャーに特におすすめです。

『心理的安全性のつくりかた』

チームの心理的安全性を高める実践的な方法を解説したベストセラー。日本における心理的安全性の4因子「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」を具体的に紹介しています。エンゲージメントカードで価値観を共有した後、この本で心理的安全性の理論を学ぶことで、なぜ価値観の共有がチームにとって重要なのかが腹落ちします。リーダーが実践できる具体的な行動も示されており、すぐに職場で使える一冊です。

出典引用

株式会社トリプルバリュー
https://engagement-card.com/

株式会社アトラエ
組織力向上プラットフォームwevox
https://get.wevox.io/valuescard

コトバのチカラ

価値観さえ共有していれば、妥協は常に可能である。そして、妥協の必要さえ明確であれば、距離などは障壁にはならない。

塩野七生(作家)


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